近年、注目されているイスラム教徒を意識したビジネスが、日本でも注目を集めている。世界三大宗教のひとつであるイスラム教。人口は2030年には全世界で20億人を超えるともいわれ、それは世界人口のおよそ30%を占める。これだけでも、巨大なイスラム市場が存在することがわかるが、ここ数年でイスラム教徒の人口や経済はさらに拡大している。(オルタナS特派員=伊藤由姫)

高所得のイスラム教徒が増加し、その多くが「メイド・イン・ジャパン」ブランドを好んでいる。「和食」は昨年、ユネスコの無形文化遺産に登録され、日本食ブームが広がっている。

しかし、イスラム教徒は、聖典であるコーランの教えに従って生活している。そこには食に関する規定もあるが、大まかにいえば、「ハラーム(不浄)」とされるものは全て禁止だ。

有名なものでは、豚を食べてはいけない、飲酒をしてはいけないなどだ。牛肉や鶏肉に関しても細かな殺処理方法などのルールがある。そのため、イスラム教徒は自国以外の食文化を楽しむ際には、「ハラール(不浄ではない)」という証明が必要なのだ。

そこで導入されたのが、ハラール認証だ。ハラールとは、イスラムの教えで許された、「健全な商品や活動」を意味する。そのため、ハラール認証は、イスラム教徒にとって安心して生活できるガイドラインになっている。

日本では、まだまだイスラム教やイスラム教徒に対する理解は少ない。しかし、急増するイスラム市場での日本需要は高まりをみせている。そこで、日本でのハラールビジネスを拡大させることにより、日本経済にも大きな影響を与えることになるだろう。また、2020年に開催が決定した、東京オリンピックでも、ハラールビジネスは多くの需要をもっている。