関西に本社を置く「エコ・ファースト企業」9社が滋賀県大津市で9月6日、「琵琶湖での外来魚駆除・釣りボランティア活動」を行った。同活動は、琵琶湖で起きている外来魚問題の認知向上を目的に実施。晴天の中、大人166人、子ども75人、合計241人が参加。ブルーギルとブラックバスあわせて803匹の外来魚を釣り上げた。(オルタナS関西支局長=神崎 英徳)

241人で外来魚を803匹釣り上げた

241人で外来魚を803匹釣り上げた

琵琶湖は、多くの固有種が生息する世界で有数の古代湖であり、貴重で豊かな生態系が育まれてきた。しかし、ヨシ群落の減少や外来魚増殖の影響により、近年は湖岸の魚類のほとんどをブルーギルやブラックバスといった外来魚が占め、生態系が大きく乱れている。

近畿の水がめである琵琶湖で起きている外来魚問題を一人でも多くの方に理解してもらいたいとの思いから、同ボランティア活動を実施。釣り上げた外来魚は障がい者福祉施設により回収されて魚粉等に加工した後、たい肥などとして有効利用される。

「エコ・ファースト企業」とは環境省が、環境保全に関する業界のトップランナー企業の行動をさらに促進していくために2008年にスタートした制度。全国で40社が認定されている。そのうち、関西企業のクボタ、三洋商事、滋賀銀行、スーパーホテル、住友ゴム工業、積水ハウス、ダイキン工業、ノーリツ、リマテックの9社が、「エコ・ファースト制度」の認知度向上や「エコ・ ファースト企業」同士のコラボレーション実現を目指して「エコ・ファーストin関西」を2013年に立ち上げた。

エコ・ファーストイベント晴天の中、前回より参加者も増え釣果も上がった 

その取り組みの一環として「琵琶湖での外来魚駆除・釣りボランティア活動」を2013年から実施している。開催2回目となる今回は環境省からも参加があり、晴天の中、大人166人、子供75人、合計241人が参加。ブルーギルとブラックバスあわせて803匹の外来魚を釣り上げた。

琵琶湖では1974年に北米産ブラックバスが確認され、1983年頃に大繁殖した。一方、1965年頃に見つかった北米産ブルーギルも1993年に南湖を中心に大繁殖。

同時期にニゴロブナやホンモロコ、スジエビなどの在来種が加速度的に減少している。滋賀県では外来魚の密放流や再放流(リリース)を禁止しているほか、「外来魚釣り上げ隊」の募集など様々な取り組みを実施しているが、県が「絶滅危惧種、絶滅危機増大種、希少種」に指定する琵琶湖固有種は約6割にのぼり、生態系は危機に陥っている。


[showwhatsnew]