インターネットで若者の自殺相談に乗る取り組み「夜回り2.0」が行われている。検索したキーワードと連動して表示されるリスティング広告を使い、自殺関連用語を調べた人を相談サイトへ誘導する仕掛けだ。サイトを立ち上げて約半年間で、20代前半の若者185人から相談依頼が来ている。(オルタナS副編集長=池田真隆)

オーヴァが主催している「自殺対策コンテスト」には、3週間足らずで900件以上のアイデアが集まっている

夜回り2.0に取り組むのは、任意団体OVA(オーヴァ NPO法人申請準備中)の伊藤次郎さん(29)。学習院大学法学部を卒業後、メンタルヘルスケアを行う人事コンサルタント会社に就職し、その後、精神保健福祉士の資格を取得し都内の精神科クリニックで勤務していた。

伊藤さんのもとには、数多くの若者から依頼が来る。自殺相談サイトを立ち上げた2013年7月から2014年1月までの期間に、平均して1日に1人となる185人からメールが届いた。平均年齢は23歳で最年少は12歳だ。今でもメールやスカイプで継続して相談に乗っている。

現在はNPO法人化の準備中のため、相談サイトは一時閉鎖しているが、準備が整い次第、新規相談を再開する。

伊藤次郎さん

「専門家だけでなく社会全体が自殺問題を主体的に考えてほしい」との思いで、「自殺対策コンテスト」を主催している。3月30日まで、ネット上で自殺を防ぐアイデアを募集し、優秀なアイデアは実践する予定だ。募集開始3週間足らずで、900件が集まっている。

2011年には、学生・生徒の自殺者数が初めて、1000人を超えるという深刻な事態を迎え、2012年版「自殺対策白書」では、世代別で見たときに20代の自殺死亡率が最も高かった。就職活動の失敗やいじめの深刻化が問題視されている。

自殺対策コンテスト