『里山資本主義(角川oneテーマ21)』の著者藻谷浩介氏は3月20日、長野県長野市でグリーン経済の未来を考えるシンポジウムに出演した。藻谷氏は、「長野県と里山資本主義」をテーマに基調講演に登壇した。自然豊かな長野県とグリーン経済の相性が良い3つの理由を話した。(オルタナS副編集長=池田真隆)

講演する藻谷氏=3月20日ホテル国際21で

オルタナは3月20日、「グリーン経済と長野の未来」と題したシンポジウムを長野市で開催した。基調講演に登壇した藻谷氏は、長野が里山資本主義を実施するポテンシャルを秘めていると話した。

藻谷氏は、長野と里山資本主義の相性が良い点は3つあるとあげた。一つは、少子高齢化を迎える日本社会において、人口減少を抑えて、維持できる下條村のような地区がある点。2点目は、集成材を使った木造建築時代が予期されるなか、豊かな山林に恵まれている点。そして、3点目は、産業の転換期で6次産業化の価値が上がることだ。

藻谷氏は、里山資本主義をマネー資本主義のサブシステムと定義する。金儲け主義から、他者と共生することを目指す。資源の循環・再生を可能な範囲で行い、将来世代を考えたビジネスモデルだ。