長野県西之門町、善光寺のおひざもとにある箱山ふとん店。一見普通の「町のふとん屋さん」だが、4代目になる箱山正一さんはある夢を持っている。それはふとんでの地産地消を実現することだ。(オルタナS編集部員=佐藤理来)
いわゆるUターン組である箱山さんは、かつて通信販売会社の販売部に勤め、ふとんを売るCMにも出ていた。しかし、専門店が大手量販店と同じことをやっては対抗できない。自分たちにしかできないことを追求した結果、ふとんの地産地消にたどりついたという。
目指すのは、長野の綿を使って長野の職人が打ったふとんだ。現在日本のふとん市場では、インドやアメリカ産のものを中綿に使っているのがほとんど。量販店などではポリエステル製のものも多く、綿花の生産自体も国内ではごくわずかという現実がある。
冬の寒い長野で綿花を育てるのは簡単ではない。箱山さんは「ながの綿バーズ」というチームを作り、畑を耕し綿花づくりにも取り組む。収穫した綿や種を地元の人に分けて、綿づくりの楽しさを知ってもらう活動もしており、今年で5年目になる。
「ふとんを生産するほどの量はまだまだ採れないが、少しずつ拡大してゆきたい」と箱山さんは笑顔で語ってくれた。