みなさんは、セックスが好きですか。
私は大好きです。好きな人と触れ合う瞬間の心の充足、体の火照る心地。
詳しく申し上げずとも、大半の方にはご理解いただけると思います。
では、女の子の「危険日」がいつ頃かはご存じですか。
男女を問わず、この答えを知っている若者は意外と少ない。
正しい避妊法を知らなかったばかりに、心と体を傷つける。
そしてもう一つ。「人身売買」という言葉を聞いたことがありますか。
女の子をお金で売買し、風俗店で働かせるビジネスが世の中にはあります。
言葉もわからない国で、暴力を振るわれ、名前も知らない男とのセックスを強要される。
時には殺されることすら、ある。
「みんなしてるから」何となくするセックス。
その一方で、声を潜めて命がけでするセックスがある。
せっかく女の子に生まれたのに、そんな乱暴なセックスしか知らないなんて、あまりにも悲しい。
悪いのは、誰なのか。
現状を変えられるのは、誰なのか。
それは、「あなた」なのではないでしょうか。
「幸せなセックスって、なんだろう。」
「人身売買って、なんだろう。」
「セックス」と「人身売買」。
ふたつの言葉の間を浮遊しながら、そんなことを考えてみませんか。
一日ほんの三分間。
ちょっとキッチュでコケティッシュ、だけどとっても「エシカル」なセックスのお話。
今日から連載シリーズとしてスタートします。(オルタナS特派員=坂口 舞)
◆第一回◆明日もし、わたしが400万で売られたら
想像したことがありますか。
今、隣で寝ている大切な彼女の肌に触れることができなくなるような未来を。
今朝、元気よく出かけて行った娘にそのまま会えなくなってしまうような未来を。
いつも通り、週末になったらお布団の中で笑い合える。
夕方になったら、「お母さんお腹空いたー!」と言いながら玄関の扉を開けて帰ってくる。そんなありふれた、いとおしい未来。それは本当に「確かなもの」なのか。
以下の記事を読んでみてください。
http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/121117/waf12111712010009-n1.htm
数年前に日本で起こった人身取引の事例です。
「ホストクラブのツケで首が回らなくなった女の子に売春させる」ときくと、
「ホスト遊びで借金とかこの女馬鹿かよ。」と思わなくもない。
でも、一人の人間が生きている背景に目を向けずに「馬鹿だな。」のひと言で終わらせるのは、少しばかり浅はかな気もする。
「うちにかぎってこんなことが起こるわけがない。」多くの人がそう思う。
美味しいご飯に温かいお布団、仲の良い家族に大好きな恋人、一緒に笑い合える友達。
「私は大丈夫。人生を間違えたりしない。」そう思う。
でも案外、人は隣にいる人のことをよく知らない。
心の中で抱えている問題は、他人の目には見えない。
お母さん、私が本当は将来何をしたいと思っているか、知っているかな。
今、一緒に笑っている友達のその顔が作り笑顔ではないと、私は自信を持って言えるかな。
どんな家庭に生まれても、どんな環境で生きていても、人は、強さも、弱さも、幸せも、葛藤も、背負うのだと思う。
こんなことを考えた。
例えば、結局は捨てられるとわかっているのに不倫がやめられないとか、
彼氏が冷たいから浮気に走っちゃったとか、
苛々して服を大量に買っちゃったとか、
やけ酒やけ食いしちゃったとか。
ホスト遊びがやめられないのと、そういうのって、もしかしたらそんなに違わないんじゃないかな、って。
ラブホテルの安っぽいバスローブの肌触りだとか。
抱きついた腰回りの太さへの違和感だとか。
終わった後に眺める天井がいつもと違う寂しさだとか。
その違和感に気づいていても「やめられない夜」が、世の中には沢山ある。
不倫にしても浮気にしてもやけ食いやけ酒にしても、
「なんでやめられないんだろう。」と考えたことが、きっと少なからず誰でもある。
その答えをどれだけの人が知っているだろう。
どれだけの人が、わかった上でやめられずにいるだろう。
ホスト遊びで借金。本当、馬鹿だなと思う。
でも、多分、私とそんなに違わない。
私たちは、いつだって、「紙一重」なのだ。