認定NPO法人制度が瀕死の危機に陥っている。政府は4月、「租税特別措置法」の全面見直しの方向性を打ち出したためだ。認定NPO法人への寄付で税制優遇となる制度が廃止されようとしているなか、対策を考えるイベントが東京で開催される。(オルタナS副編集長=池田 真隆)
NPO法人シーズ・市民活動を支える制度をつくる会(東京・千代田)は5月9日、政府の状況を確認し、対応を議論するイベントを東京・中野区の中野サンプラザで開催する。政府は、「租税特別措置法」の全面見直し・廃止・縮小の方向に動いており、税制優遇される「みなし寄付金」や「企業からの寄付金損金算入特別枠」が検討対象に入っている。
「みなし寄付金」とは、収益事業の利益を非収益事業に使用した場合に、寄付金とみなし、一定の範囲内で損金に算入できる制度だ。「企業からの寄付金損金算入特別枠」とは、損金算入限度額の範囲内で寄付金を損金算入できる制度である。
「認定NPO法人」とは、国税庁長官の認定を受け、税制上の優遇措置が与えられた法人だ。NPO団体は全国に5万ほどあるが、2011年にNPO法が改正され、認定・仮認定法人数は全国に約600ほどある。
認定を受けるためには、法令に定めた8つの要件を満たす必要がある。年3000円以上の寄付者の数が平均100人以上であることや、情報公開を適切に行っていること、設立日から1年が経過していることなどがある。「NPO法人」よりも公益性の高い活動を行う法人に与えられるものだ。
3年前の税制改革で、寄付がしやすい制度に改正されたが、今回の見直しで逆戻りしそうだ。認定NPO法人フローレンスの駒崎弘樹代表は、「認定NPO法人制度の肝が潰されそうになっている」と自身のフェイスブックで発信した。「日本はNPOが運営しづらい、寄付もしづらい、よって市民社会が脆弱で、平時でも震災時でも政府の助けを待つしか無い、脆弱で社会イノベーションが生まれにくい国になってしまう」と危惧する。「NPO業界の人々は集まりましょう」と9日のイベントへの参加を呼びかけた。
緊急イベント「認定NPO制度があぶない!?」
◆開催日時◆
2014年5月9日(金)19 時~21時
◆開催場所◆
中野サンプラザ8階 研修室5
(地下鉄東西線・JR総武線・中央線「中野駅」北口徒歩1分)
◆講 師◆
松原 明 (シーズ 代表理事)
◆参加費◆
2000円(振興会会員 1000円)
※当日受付でお支払いください。
◆定 員◆
50名(要申込み、申し込み先着順)
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