「党首がラップで政策を歌う」「情報番組の製作側をメインに放送する」――社会問題を考える映像コンテンツの未来とは。5月7日、有志で集まった映像作家たちが、ワークショップを開催し、社会問題の解決につながるアイデアを話し合った。(オルタナS特派員=山中 康司)

ファシリテーターを務めたCMプランナーの山田栄治さんは、東日本大震災をきっかけに社会問題に関する映像を製作するようになった

ワークショップを開催したのは映像作家集団NoddiN(ノディン)。同団体は原発事故を経て、今までとは別の視点を持つ必要を感じた映像作家が集まり結成された。当日は、一般の参加者と、社会のあり方を問う映像コンテンツを考えた。

ゲストには映画配給会社ユナイテッドピープルの関根青龍代表を迎えた。トークでは、「幸せの経済学」「power to the people」「happy」などの社会派ドキュメンタリー映画の予告編を見ながら、現代をとりまく問題が挙げられた。

関根代表は、同社で海外の社会派ドキュメンタリー映画の配給を行うことは「社会問題を自分ごととして考えるきっかけづくり」だと話した。

ユナイテッドピープルの関根青龍代表は、和装で登場した

イベント後半には、映像作家たちと一般の参加者がグループに分かれてワークショップを行った。日ごろ気になっている社会問題を挙げ、その問題の解決につながる映像コンテンツのアイデアを出し合った。

会場からは「若者に政治を身近に感じてもらうため、党首たちにラップで政策を歌ってもらおう」「メディアの裏側を多くの人に知ってもらうため、情報番組の裏側をハプニングのような形で放送してしまおう」など、様々なアイデアが出た。

日ごろ感じている社会の矛盾と、自分の好きな映像表現を組み合わせて企画を練っていく

SNSや動画投稿サイトが普及し、今や誰もが映像を全世界に向けて発信できる時代だ。それは、誰もが映像作家となって社会に問いを発することができるという事も意味する。あなたの企画した映像作品が、世界中で閲覧され、ある社会問題の解決につながる。そんなことも、夢物語ではなくなっている。