経済の指標をお金から幸せに代えようというのが「幸せの経済学」なら、経済を創りだす源を枯渇しつつある化石燃料から太陽に代えようというのが「太陽経済」だ。

その太陽経済を提唱し、突き進んでいるのが神奈川県。同県は脱原発とエネルギー革命を掲げて当選した黒岩祐治知事を中心に、かながわソーラープロジェクトを発足。太陽光発電を大規模に普及させ、神奈川県が全国に先駆けて次世代エネルギーモデルを構築することを目指している。

プロジェクトの肝となるのが「かながわソーラーバンク構想」だ。国が進めている再生可能エネルギーの全量買取制度の成立を前提として、県が平成21年度から実施している住宅用太陽光発電の設置に対する補助枠の拡大をはじめ、民間の金融機関との連携による独自ローンの創設、ソーラーパネルの一括調達・規格の統一によるコスト低減に向けて議論を進めている。

太陽光発電は初期費用がネックになっているが、ソーラーパネル自体を安価にして、低利ローンを付けることで拡大を狙う。

すでに横浜銀行と神奈川銀行は無担保・低利のソーラーローンを設立して、今月から融資を開始しており、ソーラーパネル市場の拡大に向けて動き始めた。

一方、「4年間で200万戸にソーラーパネル設置」という知事の目標に裏付けがないことや、プロジェクト研究会の議論が、孫正義ソフトバンク社長はじめ外部の著名人によって先行していることに批難が上がっているのも事実だ。

神奈川県で太陽経済のモデルが実現するカギは、どれだけ具体的で実効性があるロードマップがつくれるか、「太陽経済」がどれだけ本質的であるかに掛かっている。(オルタナS特派員 殿塚建吾)