「どうして地球のために、みんなのためになることをしているのにお金がもらえないのか?」――そんな疑問から結成されたインカレ団体em factoryは、今年で創設11周年を迎える。「環境問題をビジネスという切り口で解決していこう」という思いで、東工大、早大、慶應大、明治大、千葉大、日本女子大などの学生たちが所属し、活動を続けている。(今一生)

2011年のコンテストで明治から提供された課題

毎夏、彼らは全国から大学生・大学院生・短大生を集め、チームに分かれて企業から出された課題を解決するビジネスプランを考える「環境ビジネスコンテスト」を開催してきた。

今年も9月15~20日に5泊6日の日程で東京の国立オリンピック記念青少年総合センターで実施し、同団体の公式サイトから参加を呼びかけている。

東工大工学部4年生でem factoryの代表を務める針谷秀夫さんによると、「課題を提供する企業は、その年の運営メンバーが企業に打診します。新規の企業の場合は、協賛を獲得する営業から始まって課題を設定するミーティングを設けます」と言う。

em factoryでは、ビジコン開催によって得られた課題解決プランをスポンサー企業に提供する。昨年は、アサヒビール、コーセー、清水建設、日清製粉グループ本社、日本グリーンパックス、ブリヂストン、ミダックの7社が協賛。40人以上の学生が参加した。

「このビジコンで生まれた環境問題の解決モデルは実際に企業に採用されることもあり、課題を提供してくれる企業側の社会人の方が応援してくださっています。課題を提供してくれた環境系の企業にビジコンに参加した学生が就職したり、ゴミ拾いアプリを開発するベンチャーの創業に参画した人もいます」(針谷さん)

かつてはスタッフもビジコンに参加する学生も「4対1で男性が多かった」そうだが、去年から急速に女子学生の参加が増え、「今年のスタッフは1対1」。年間スポンサーの獲得など団体活動上の課題はあるが、「今後はビジコン以外に継続的な事業収入を得る活動を始めたい」という。

環境問題にビジネス視点で取り組む学生には、大企業もベンチャーも期待している時代だ。「我こそは」と思う学生は、挑戦されたし。

・em factry 2014
http://www.wb-emfactory.jp/