NPO法人全国青年環境連盟エコ・リーグは9月14日、国立オリンピック記念青少年総合センターで、同団体の20周年記念式典を行った。会場には、150人近くの現役、OBが集まった。現陸前高田市・久保田崇副市長が、学生時代に同団体で活動していた縁があり、基調講演を行った。久保田氏は、「一度飛び込んだ経験があれば、社会人になっても飛び込む勇気が持てる!」というメッセージを送り、環境問題に取り組む現役のメンバーにエールを送った。(オルタナS特派員=崎浜 公之)
環境NPOの20周年記念イベントに、陸前高田副市長が登壇したのは意義深い。環境問題の歴史を振り返ってみると、その時々で、環境問題が多様に捉えられてきたことが分かる。高度経済成長期に起きた公害の問題から、92年にはリオデジャネイロで地球サミットが行われ、一気に環境問題は、ローカルな問題から「地球」環境問題へとシフトした。
その後、徐々に世間に「エコ」や「地球にやさしく」などの考え方が広まり、2001年には環境庁が環境省に昇格、CSR元年の2003年以降は、企業も環境に配慮するのが当たり前になってきた。2007年には、アル・ゴア氏による『不都合な真実』の映画が日本でも公開され、地球温暖化問題が社会的に広く認識されるきっかけとなった。エコ・リーグは、その都度、社会の動きと連動しながら活動し、その裾野を広げていった。
しかし、2011年3月11日に発災した東日本大震災以降は、震災復興に勤しむ若者が急増した。その影響もあったのか、エコ・リーグの、環境活動を行う学生に対する集客力は弱まり、震災前の2010年を境に右肩下がりにイベント参加者数を落としていった。
そんな中迎えた20周年記念イベント、陸前高田の副市長の基調講演は、環境×震災復興の可能性を垣間見せるものであった。エコ・リーグが今後、さらに活動を発展させていくとするならば、「環境」という枠にとらわれない、分野横断的に社会と向き合うことのできる青年の育成と交流の場をつくっていくことが、必要条件であるように感じた。エコ・リーグは、大きな分岐点に立たされていると言える。
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