NPO法人SETに所属する岡田勝太さん(法政大学4年)は、釜作りを通して、東北の漁師町を活性化させる取り組みを行っている。取り組みの名称は、「釜ベーション」。釜作りを通して居場所を作る、この活動にかんして、寄稿してもらった。

釜作りを通して、居場所をつくる

釜作りを通して、居場所をつくる

地域には行ってみないと、体感してみないと分からない魅力が数多くあります。さらに、その魅力は普段の生活に溶け込み、地域を訪れた人には見にくく、感じにくいです。もちろん地域に住む人は当たり前になっています。

それでも、町には人の心に何かほっとする感動を与えてくれる魅力があります。その魅力を普通に体感するよりも何倍もの価値として広田町に来て下さる、住んでいる皆様に体感して欲しいと想いで「窯ベーション」は開始しました。

◆概要

岩手県にはアイヌ語で呼ばれる地名がいくつかあります。そして、今回の舞台となる陸前高田市「広田町」もアイヌ語で「ピイロタ」と呼ばれ、今でも地域の中で残り伝え継がれています。

アイヌ語では「美しい浜」という意味です。「広田町」は半島の先端にある人口3500名程の漁師町。町の人は当たり前に、海と共に生きてきました。

海産物が豊かなのはもちろんのこと、野菜も浜の風を受けて育ち、とてもおいしい野菜が収穫されます。この「ピイロタ」の恵みを受け、美しい浜を臨む「窯」の立地から「ピイロタの窯」と名付けました。

また、このPJは現役バリバリの社会人の方との恊働で行われており、地域デザイナーズアワードでも22組のアワードの中に選ばれております。現在、トップアワードを決める投票も行われています。

◆クラウドファンディングサービス マクアケ https://www.makuake.com/project/kamavation/

今回、クラウドファンディングを選んだ理由としては「ぴいろたの窯」を様々な方と共に作っていくことが必要だと考えたからです。

多くの方と共に作ることで更なる未来へ繋げていくことができます。地域を元気にするのは人であり、人の関わりです。だからこそ、この「窯」を一つの入口とし多くの人が集まり、多様な価値観を混ぜ合わせることで更なる可能性が拡がります。

そして、自分達の周囲だけでなく、広田町を知らなかった、ピザ作りだったら少し楽しそう!と思ってもらうことで社会に広く知ってもらうことがクラウドファンディングでは達成できると思っています。

釜作りを行う岡田さん(写真右端)

釜作りを行う岡田さん(写真右端)

◆第三の「居場所」になるために

『窯ベーション』とは「窯づくり」から始まる「イノベーション」という「新しい概念」への挑戦です。その挑戦には2つの達成したい未来図が込められています。

1つは「窯作り」という人の気持ちに少し「興味」を持たせる活動を通して地域内外の人が協力して創り出す新たな地域の魅力開発のソリューションが生んでいきたいということです。

更にもう一つは、「居場所」を作ることです。現在、日本では地方、都心関係なくしがらみ、無縁と呼ばれる様な「人と人」の間で生まれる居心地の悪さが引き金となり苦しむ人が増えています。

その内どれくらいの人が心休まる「居場所」を持っているでしょうか?簡単に変えることができないのが日常です。しかし、そんな日常を少しだけ忘れることができる、自身の心休まる場所くらいはあってもいい。

少し手間を掛けながら、その時のペースで、人と人が知恵を出し合いながら一つのことを実現させていく「ロマン」。その空間に生まれる「居心地」の良さを「ぴいろたの窯作り〜Team窯ベーションの挑戦〜」では作っていきたいです。

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