ソニーの社内ベンチャーharmo(ハルモ)事業室は産後女性のケアを行うNPO法人マドレボニータ(東京・杉並)と協働し、同事業室で開発した電子お薬手帳「harmo(ハルモ)」のPRを行っている。NPOと組むことで、子育て中の母親の本音を現場で聞けることを期待した。同事業室の渡辺普室長は、「夫婦が育児に抱く社会的課題に寄り沿いながら、普及させていきたい」と話す。(オルタナS副編集長=池田 真隆)

夫婦へのエクササイズ講座=1月18日、クラウドナイン登戸で

夫婦へのエクササイズ講座=1月18日、クラウドナイン登戸で

1月18日、小田急線登戸駅すぐのスタジオで、「ママとパパのためのパートナーシップ講座」が開かれた。産前・産後のカップルが参加し、バランスボールを使ってのエクササイズで汗を流した。身体を動かした後は、川崎・横浜地区で活動するマドレボニータ認定の産後セルフケアインストラクター中桐昌子講師から、産後女性の心と体についてレクチャー。「産後の女性は、出産によって大きなダメージを負っており、心身ともに不安定な状態。そんな状態の妻の助けになるのは、夫のねぎらいの言葉とともに、具体的な行動」と、夫婦で協力して育児を担うように呼びかけた。

この講座は、ハルモ事業室とマドレボニータが企画した。ハルモの紹介もし、お薬手帳を電子化するメリットを説明した。お薬手帳を病院に持っていく最大の目的は、「医者が患者の状態を理解し、安全な薬を提供するため」だ。手帳はついつい忘れがちになるが、ハルモでは、お財布に入れられるサイズの専用カードとスマートフォンアプリで管理する仕組み。薬の履歴情報だけをクラウド上にあげて、名前や個人情報は含まない。そのため、子どもの個人情報がネットで流れる恐れがないという。

川崎市は2013年12月から、市全域で同サービスの導入を決めた。宮前区東有馬の宮前調剤薬局・伊藤啓代表取締役は、「お薬手帳を持参する率が低い、若い世代に普及できるポテンシャルがあるので、医療従事者にとって良いこと」と話す。

■子育てはママ任せでいいのか

同サービスを普及するにあたって、NPOとの協働を選んだ理由は、「子育てをしている母親の現場の声を拾えるから」と渡辺室長は答える。今回、マドレボニータと組んだことで、「子育ては母親だけでいいのか」という疑問を持てた。当初は母親向けのPR企画を考えていたが、同団体と打ち合わせを重ねるごとに、「子育ては夫婦で行うもの」という認識に変わった。

吉岡代表は、「産後の夫婦関係の悪化を防ぐためにも、日ごろからのコミュニケーションが必要」と考え、ハルモを活用しての情報共有はその後押しをしてくれるという。「子どもがどんな薬を飲んでいるのかを夫婦で共有することだけでも、母親の精神的負担は軽減される」。

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