武蔵大学社会学部メディア社会学科の学生たちは12月19日、宮城県女川町役場を訪れた。学生たちが所属する「学生による被災地支援のための市民メディアプロジェクト」の活動の一環として、宮城県女川町総務課秘書広報係千葉泰広係長に取材を行った。行政と民間の連携に一役買っている「地域メディア」の存在価値を聞いた。(学生による被災地支援のための市民メディアプロジェクト支局=堀田 彩未、田嶋 亮太・武蔵大学社会学部メディア社会学科3年)
女川町の地域メディア、「広報おながわ」は、同町町の地域情報紙である。震災前はもちろん震災後も、女川の人々へ有益な情報を休むことなく発信し続けている。
女川町は被災した地域の中でもひときわ被害が大きかった。情報の錯綜は必死だったはずだ。しかし、広報おながわをはじめとする地域メディアを起点にすることでそれを防ぐことに成功した。
震災当時はモノクロ印刷でページ数も少なかった。しかし、それは、女川町の住人が本当に必要としている情報の宝庫だ。
震災から時間が経つにつれて、「広報おながわ」のテーマは被災状況から復興へ変わった。地域活性化を目指し、情報発信を行っている。最近ではネット上でPDFとしても配信されている。
そんな「広報おながわ」だが、なんとたった二人で作っているそうだ。千葉係長は、「自分が町づくりをしている感覚を得ること」がより迅速な復興に必要不可欠なことだと言う。
これだけ豊富で有益な情報を発信できるのも少人数体制だからこそ成せる技。この体制を続けていくことでより迅速な街づくりのための手助けをすることができるのだろう。
しかし、行政である「広報おながわ」だけでは全ての情報を提供することは難しいことも事実だ。そこで、民間団体である「おながわ災害FM」などと情報の補完をすることで情報の欠落を補う。
この活動はやらされているのではない。全て自分の意志で動いているのだ。相互的に頼り合い、積極的に自分から動いていくことで自分が地域活性化に直接関わっているという感覚を得ることができる。
震災から4年。今もなお続く復興とそれに比例するかのように注目が集まっていく地域メディア。行政と民間の連携。これこそがより良い地域活性化につなげていくための第一歩となるだろう。
これまでも、そしてこれからも民間と一致団結し、情報を届けていくであろう「広報おながわ」。少しでも興味を持った方は一度手に取って読んでみるのはいかがだろうか。
◆広報おながわはこちら
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