言葉や行動を見聞きするとき、それが「何か」より「誰が」やっているのかが
大切になる時がある。自らの体験がにじみ出ている言葉や、心の底から信じて
いる人の行動はずっしりと心を打つ。
だけどそんな大切な言葉や行動がこんなに明るくに伝わることもあると、
彼女に出会って知ることができた。
7月10日に両国スキーマで1 DAY OPENしたトウホクカフェ。
東北野菜を使った料理をカフェで振る舞い、東北をPRしようというプロジェクトだ。
企画者は守谷麻希さん。福島県福島市出身で実家は梨農家という彼女は、
普段は都内のメーカーで働くOLさんだ。
なぜ彼女がこのプロジェクトを始めたのかお話しを伺った。
東北の地酒と野菜をもってPRする守谷さん
「もともとイベントが好きなんです。学生の頃は無人島おにごっこを企画して
実際にやりました。」
そんな守谷さんは社会人になってからも持ち前のアクティブさは変わらず、
丸の内朝大学を受講するなど日々活発に過ごしていた。
震災後、その丸の内朝大学のメンバーの中で「東北のために何かしよう」という話しが
持ち上がったが、当時は守谷さんの身内の安否確認がまだ取れていない状態。
「何かしよう」という話題が正直嫌に思えるときもあったという。
しかしその後、身内の無事が確認できたことから守谷さんの心境も徐々に変化。
東北出身者として何かするべきなのか、何ができるのか、
そう葛藤しながら行き着いたのは
「農家が心を込めて作っているものを料理を通じて伝えたい」
という農家の娘として自然な気持ちだった。
そしてこのトウホクカフェの企画を朝大学のメンバーに発表したところ
「実は料理は苦手」という守谷さんの周りに、フードコーディネーター、
カフェ経験者、野菜ソムリエなど様々な人が有志で集まってきた。
「本当に多くの人に助けてもらったんです!」
という守谷さんの言葉通り、様々な方に支えられて迎えたOPEN当日。
「どのくらいの人が来てくれるのか心配」という不安をよそに終日満員御礼!
料理の味も大好評だったそうだ。
メインメニューの“とろとろ牛タンシチューたっぷり東北野菜添え”
こうして、1回目のカフェは大成功のままに終了。
今後もカフェは不定期で継続していくとのことで、
「東北の野菜を売ることだけでなく、カフェを通じて東北はいいところなんだと
伝えて行きたい」
と次の抱負もお話ししてくれた。
守谷さんの地元果樹園では注文や観光客が激減し、まだまだ復興はこれからの段階。
このメッセージには守谷さんが肌で感じている危機感が込められていると思う。
しかしこうした重たく暗い雰囲気を、この太陽のような明るさで自然体のままに
東北のことを伝える彼女が、知らず知らずのうちに吹っ飛ばし始めている!
福島農家の娘、守谷麻希のアクティブさが今後の東北を明るく照らすかもしれない!
■トウホクカフェブログ