舞台監督は、作曲家の安藤由布樹さん。彼によると、このオペラの特徴は、杉原千畝の妻の幸子夫人に注目をしているところだ。杉原千畝の波乱万丈の人生の裏には、それを支えた幸子夫人がいた。彼女は、「六千人の命のビザ」を執筆している。今回のオペラでは、彼女が主役となって「千畝」を語るという物語になっている。

脚本を書いたのは、ソプラノ歌手で杉原幸子役をつとめる新南田ゆりさん。脚本は、杉原千畝の早稲田大学入学から始まり、満州での活躍、リトアニア赴任、ビザ発給に至る苦悩といった史実の大事な部分を押さえている。それだけでなく、ビザを貰って日本に渡ってきたユダヤ人の暮らしまでも説明されている。杉原千畝が生きた当時の時代背景に理解がいくような描写もあり、非常に練られている作品だ。

新南田さん演じる、幸子夫人が泣き崩れるシーン

新南田さん演じる、幸子夫人が泣き崩れるシーン

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