「命のビザ」で知られる、日本の外交官・杉原千畝(ちうね)。彼の人生を忠実に描いたオペラの凱旋公演が、今週末早稲田大学・大隈講堂で行われる。テレビ番組や新作映画を通じて杉原千畝への注目が高まる中、今回作られたオペラは私たちに何を見せてくれるのか。(オルタナS特派員=中嶋 泰郁・早稲田大学教育学部社会科社会科学専修4年)
■6000人を救った、人道の英断
「外交官としてではなく、人間として当然の正しい決断をした」早稲田大学11号館横の記念碑に刻まれている言葉だ。晩年の杉原千畝が、外交官時代にした「決断」に対して、そう述べたとされている。その決断は、政府の命に背きながらも、困窮したユダヤ人たちにビザを発給するというものであった。