ダマスカス市内では、セルビスと呼ばれるワゴン車のバスがある。同じルートを回っており、バス停は無いので手を上げて停めて降りたい場所で降りる。どれだけ乗っても10円だ。ガソリンは徐々に高くなってきているが軽油はまだ安い。タクシーやバスはディーゼル車なので、市民の足に影響が出にくいのである(とはいっても、世界情勢の中、いよいよ軽油にも値上げの波が来ているらしい)。

休日は金と土。ここシリアでは、週末とは「金土」のことを言うのだ。アラビア語でも、金曜日=ヨーム・ジュマー=「(モスクに)集まる日」、土曜日=ヨーム・アッサブト=「まったりする日」のことだ。なので、金曜日は多くの店が閉まっている(私企業のキリスト教徒は土日に休むことができるらしい)。

木曜日の夜は、日本の金曜日のように、ウキウキした人たちで街が色めく。そして、金曜日に町を歩くと、人も車も少なく、快適に散歩できる。また、シリア人は夜更かしが好きである。昼ごはんが遅いせいもあるだろう、夜12時を過ぎても店が開いていて、人通りが途絶えず、賑やかだ。

夜でも賑やかなダマスカス

夜でも賑やかなダマスカス

いかにも過ごしやすいダマスカスであるが、あえて問題を1つ上げるとすると、車の多さだろう。排気ガスに煙たくなるというのもあるが、歩道に乗り上げて駐車するため、車が行き交う道路を歩かないといけなくなることがよくあり、なかなかに危ないのだ。しかも、百メートルおき(場所による)で、「少し大きな電話ボックスのようなもの」が歩道を占拠している。

車の混み具合は異常だ

車の混み具合は異常だ

これは軍隊の人がドンっと座って監視するためのもの。談笑したり、お茶を飲んだりする軍人さんの肩には大きな銃がある。かなり怖いが、結果的に治安維持に強い効果を発揮しているのも事実であり、無碍にすることも出来まい。ありがとう、である。

そして、ダマスカスを、シリアを歩いていると必ず目に付く写真がある。それはアサド大統領の顔写真だ。建物の外、店の中、車のガラスなどなどなど。ちょっと欲しくなってくるのだから不思議である。

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