おいでよ!東京2015では、大人との触れ合い、そして職業体験で働くことの楽しさを学ばせている。さまざまな大人と話すことで、子どもが将来就きたい職を見つけるきっかけになったり、相談相手ができるかもしれない。

児童養護施設の卒園後の課題を解決するため、小木曽さんは、企業・NPO・個人などさまざまな人・団体が手を取り合っていくべきと主張する。小木曽さんは率先して、児童養護施設を拠点に活動する他の団体に呼びかけ、集まる場をセッティングした。だが、実際には、方向性の違いからうまく話がまとまらない。

まとまらない原因の一つに、各団体の資金難がある。児童養護施設の子ども向けに活動する団体で、正社員がいるNPOは少なく、その多くが本業を持ちながら、空いた時間に活動している。「自分たちだけでも大変なのに、連携できる余裕がない」といった意見が出ているという。

現状は、資金面では企業の寄付金に頼っているところが大きい。今後は、サステナブルに活動していくために、他団体との連携とともに、資金調達方法の改善も課題だ。

課題は多くあるが、現に「おいでよ!東京」は東日本大震災から4年連続で実施している。この日のために、100人弱の大人が有給休暇を取り、100万円近く寄付する企業もいる。NPO・企業・個人の3者が一体となったこの活動をモデルに、卒園後の就労支援も含めた活動を展開していきたいと、小木曽さんは意気込む。

[showwhatsnew]
1 2 3 4