安全、安心の追求は食べ物だけではない。吉成英温さんが理事長を務めるエコ雑貨協同組合が今年もアースデー東京に出店した。エコ雑貨とは、環境に配慮した製品のことであるが、単にそれだけの意味には留まらない。

 

吉成さんは生産者・販売者・消費者が連鎖している仕組みを変えたいと言う。環境配慮型の製品は今やスーパーでも販売されるようになったが、私たち消費者は店頭に並んでいる製品を買うほかない。その過程では生産者の顔は見えない。ラベルに記載されている原材料や生産者を信頼するか、しないかの選択をするだけだ。生産者がどのような思いでエコ雑貨を作り、消費者に何を伝えたいのか。販売者を仲介した売買の仕組みでは、生産者の気持ちが伝わることはまずない。

 

エコ雑貨ライフ展は、生産者と消費者が直接対話することができる場であるところに大きな意味がある。エコ雑貨共同組合のメンバーはメイド・イン・アース、わんのはな、ナファ生活研究所、自然育児友の会、ボディクレイ、ミス・アプリコット、ナイアード、ココウェル、ヤムヤム、ロゴナジャパン、ちのしお販売、ワイルドツリー、モノがたりマーケット(順不同・敬省略)。アースデーでは各企業がエコ雑貨を販売するだけでなく、「エコ雑貨スクール」というワークショップを1日につき11回開催した。ココナッツの潤いリップクリーム作りや、虫除けスプレー作りなど、魅力ある講座ばかりだ。エコ雑貨スクールを通して、前述したようなエコ雑貨の背景を体感することができる。

 

吉成さんはエコ雑貨が消費者に届くまでの背景を“物語“と表現する。身の回りにある製品には全て物語がある。ワークショップに参加して、生産者から物語を聞き、今度は消費者である私たちが身近な人々に物語を伝えていく。生産者と消費者という枠組みを超えて、私たちすべてが暮らしの中に物語を取り入れていくことが、エコ雑貨共同組合の大きな狙いだ。

 

環境に配慮しながらも質のよい製品であれば、売る側も買う側もWin-Winの関係が成立し、物語を持ちえない販売者は淘汰されるだろう。雑貨においても顔の見える関係ーー物語のある暮らし、にシフトしてはいかがだろうてか。

(オルタナS 原 彩子)

 

エコ雑貨協同組合 ブログ

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