「この映画を見て、将来はこんなかっこいい人になりたいと思った」と荒井さんは話す。荒井さんがいう映画とは、「僕たちは世界を変えることができない。」のことで、同映画は大学生がカンボジアに学校建設をする物語。学校を建てるための資金が不足したりメンバーが離脱したりと、さまざまな困難に立ち向かっていく様子を描いている。2008年に自費出版された現役医大生・葉田甲太氏の体験記が原作。

荒井さんが同映画を観たのは、大学2年生の夏休み。このころ、すでに荒井さんは国際協力組織「彩祭」に所属して、カンボジアの無電化地域の衛生教育活動などを行っていた。映画の主人公の活動が自分自身と重なり、「いつか自分も世界中でさまざまな体験をして、本にまとめて、映画化したい」と思うようになった。

荒井さんは大学1年の春に、一人旅でカンボジアを訪れ、物乞いをする子どもたちに衝撃を受け、ボランティアに関心を持ち出した

荒井さんは大学1年の春に、一人旅でカンボジアを訪れ、物乞いをする子どもたちに衝撃を受け、ボランティアに関心を持ち出した

その思いを持ちながら2年間ほど、彩祭で活動し、大学3年時では代表になった。4年になったタイミングで彩祭を引退し、その思いをかなえるための旅に出ることを決めた。大学を1年間休学し、アルバイトで貯めた貯金と企業協賛金で世界一周に出た。

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