地域創生+大学

日本の最重要課題の一つに「地域創生(地方創生)」があります。その背景には人口減少や産業力の低下、そして若者の進学や就職による都心への一極集中などが進んでいることがあります。

地域を創生するには企業、行政、NPO、市民、そして大学といった分野を超えたプレイヤーの協働が必要です。なかでも大学への期待は大きく、地域や社会の課題を解決すること、そしてイノベーションの創発や地域に貢献する人材を育成することといった多くのことが寄せられています。

しかし、このような期待へ応えるには特定の学術分野だけでできるものではありません。分野を超えた学際的かつ複合的な取組みによってはじめて実現できるものです。そのようななか、各地の大学では様々なチャレンジがはじまっています。

そこでオルタナSでは、こうした地域や社会の課題に取組む大学や学生の情報を発信するプロジェクトを新たにスタートさせます。タイトルは「地域創生+大学 by. alterna×S」。

プロデューサーには、企業・NPO・行政・市民・大学・学生といった様々なプレイヤーの協働を多数手がけてきたソーシャルプロデュースが専門の野村尚克氏。そして学生時代からオルタナSの創成に参画し、現在まで様々な分野で活躍する若者のソーシャルアクションを多数見てきた池田真隆オルタナS副編集長の2名が務めます。

両者の立場や年齢を超えた複合的な視点によって、大学及び学生の地域創生への取組みを発信して行きます。


<プロデューサー>
野村尚克
野村 尚克:
Causebrand Lab.代表、Mirai Shipプログラム開発室室長。1972年北海道生まれ。企業・NPO・行政・市民・大学・学生といった分野の異なるプレイヤーの協働を手がけるソーシャルプロデュースが専門。東日本大震災発生後は被災地で企業のCSR活動やボランティア支援、高校・大学によるサービスラーニングプログラムなどをプロデュースしたが、2012年に被災地の大学生が参加したPBLプロジェクト「aCtion!×tohoku」では、学生たちが作成した「東北の魅力は人だと思う。」が「第62回日本観光ポスターコンクール」で審査員特別賞を受賞。同賞は全国の観光協会と広告代理店が応募する最も歴史あるコンクールだが、学生だけによる作品の受賞は唯一であったことから、以後、PBLプログラムへのアドバイスをいくつも行っている。また、実践型初年次インターンプログラム「Mirai Ship」のプログラム開発室長も務めており、インターンシップとキャリア教育の融合による新たな可能性に取組んでいる。著書に『世界を救うショッピングガイド』、『ソーシャル・プロダクト・マーケティング』(共著)など。主な委員等に「1億人のバレンタインプロジェクト」実行委員長(2011)、観光庁「Japan. Thank You.アクション」プロデューサー(2012)、経済産業省「カーボンフットプリントを活用したカーボン・オフセット製品等試行事業研究会」委員(2013)、環境省「小型家電リサイクル法を中心とする各種リサイクル制度等の普及啓発方法に関する検討委員会」委員(2015)、社会デザイン学会「地域創生大学研究会」代表など。立教大学大学院修了、筑波大学大学院退学。

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池田 真隆:
オルタナS副編集長、1989年東京都生まれ。立教大学文学部文芸思想学科卒業。大学3年から「オルタナS」に特派員・インターンとして参画する。その後、副編集長に就任し現在に至る。オルタナSの編集及び執筆、管理全般を担当。企業やNPOなどとの共同企画などを担当している。

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「地域創生+大学 by. alterna×S」を始めるにあたって(野村 尚克)

「地方創生」、そして「地域創生」への関心が高まっています。この取組みは日本の最重要課題の一つであり、既に様々な活動がスタートしています。地域を創生するには多様なプレイヤーの力が必要です。行政や企業といったセクターだけではなく、様々な分野からの参加による協働が必要です。そして、その重要なプレイヤーの一つとして大学が注目されています。

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「その人に惚れたから」地域創生が若者に共感されるワケ(池田 真隆)

オルタナSでは大学生や若手社会人のソーシャルな活動を取材しているが、その取材を通して、年々、地域に興味を持ち出す若者は増えていると実感している。その理由はどこにあるのか。実際に、「地域活性化」をキーワードに活動する若者に聞いた。

地方創生・写真

取材から見えた地方創生に取り組む大学の課題(野村 尚克)

昨今、「地方創生」が注目され、大学も積極的に取り組んでいます。しかし、地方の課題は地域によって違い、「地方創生」をどのように行うかも大学によって異なります。この企画「地域創生+大学」では昨年から、様々な大学へインタビューしてきました。対象者は学長、教員、学生、協働する企業や行政、NPOなどです。しかし、実際に成果を出しているところはあまりないのが実状でした。では、いったいなぜ、大学は成果を出せていないのでしょうか。そのような大学にはいくつかの共通点があります。

跡見学園01

首都圏在住の大学生たちによる地方創生プロジェクトに注目(野村 尚克)

首都圏に住む大学生たちによる地方創生プロジェクトが注目されています。跡見学園女子大学(東京都文京区)の学生たちは、昨年から今年にかけて「沖縄今帰仁村大学生アンバサダー」に就任。そのイベントが都内で行われました。

ごくりくまを手に

崇城大学にある大学公認の起業部とは(池田 真隆)

熊本県にある崇城大学は地方創生のため2014年に大学公認の起業部をつくった。部員は21人おり、8チームに分かれてビジネスプランを練っている。ビジネスサークルは全国の大学にあるが、大学公認の起業家育成の部活は珍しい。その取り組みを追った。

武山さん02

卒業後は被災地から東京へ-(野村尚克)

東日本大震災で被災した地域で活動していると素晴らしい学生に出会います。彼ら彼女らは主体性があって熱意があり、そして努力家です。地方創生にはこうした若者が必要でどの地域も欲しがる人材でしょう。地方創生が盛り上がってから、首都圏から地方へ移住する若者に注目が集まるようになりました。なぜ都会から地方へ?その理由は?と言ったことがインタビューされ紹介されています。しかし、地方から首都圏へ行く若者がいるのも事実です。なかでも被災地で熱心に活動していた若者が都心へ出て行くのを見ると、どうしてなのだろうか?と考えます。今回はそうした被災地から首都圏へこの春に旅立った学生のインタビューを紹介します。二人は私が出会った中でも特に優秀だと感じた学生であり、東京へ行く直前にインタビューしました。