――カフェでは、どんな「良い循環」をつくっていきたいでしょうか。

小島:人が幸せだと思える瞬間をつくり続けたいですね。クレイジーが大切にしているものは、「本質的」、「美しさ」、そして「ユニークさ」です。たとえば、商品に関しての循環ということでは、珈琲はアフリカ、中南米、アジアの生産者からフェアトレードの豆を仕入れ、お店から5分にある焙煎所で焙煎するので、豆の酸化を防ぎます。

そして、ラテには、化学成分不使用の「奇跡のミルク」を使います。このミルクは、24時間365日、山で放牧され、自生した植物を食べて育った牛から取りました。飼料は農薬化学肥料不使用で、交配も分娩も哺乳も、すべて自然のまま(母乳哺育は生後1ヵ月まで)行っています。

原価は通常の8倍以上となりますが、本当に良いものを届けるために、こうした原料を使うことを選びました。お客様の循環では、「カフェソスペーゾ」というイタリアの風習を実現できたらなと思います。この風習は、金銭的に貧しい人にも珈琲を飲んでもらえるように、珈琲の代金を前に来たお客様が先払いするものです。この風習が生まれれば、カフェに来たら、すでに誰かが支払ってくれた珈琲を飲むことができ、つながりを感じることができるはずです。

店舗デザインにも徹底してこだわりました。まだ詳しくは説明できないのですが、楽しみに待っていてください。

そして、店名は仮で、「 」(ブランク)としていますが、この「 」に何を入れるかはお客様の自由です。勉強会やトークショーを企画するでも、物々交換会でも、ライブでも何でもできる空間にしたいです。お客様や地域の人たちと、どんなコラボレーションが生まれるのか楽しみです。

クラウドファンディングの企画を担当した長谷川嶺さん(左)

クラウドファンディングの企画を担当した長谷川嶺さん(左)

――現時点(10月6日)では、クラウドファンディング「Makuake(マクアケ)」で245人から263万円が集まっています。カフェを開店するにあたって、クラウドファンディングを利用した狙いは何でしょうか。

長谷川:資金調達ではなく、ファンづくりが最大の理由です。ぼくらは、このカフェをベースに、ファンをつくり、つながりを広げていきたいと思っています。

クラウドファンディングがうまくいったのは、100%ファンのおかげなので、支援して頂いた金額は関係なく、一人ひとりに恩返ししたい気持ちでいっぱいです。

――御社の企業文化では、予算内で事業内容を考えていくのではなく、まず理想を追求し、そこからビジネスとして収益性が出せるように実現性を考えていくというプロセスですが、そのような工程で物事を考えるようにしたのはどうしてでしょうか。

長谷川:ぼくらの会社での優先順位は、「健康」「人間関係」「おもしろさ」そして、最後に「ビジネス性」と定めています。このような順位でも、しっかりと収益性を出せるということを証明していくことで、世の中に理想を追求する仲間を増やしていきたいと考えています。

組織よりも個を優先する企業文化なので、今回のカフェ事業のように、メンバーそれぞれの実現したいことを応援していく会社になりたいと思っています。

そうして、本質的で理想を追い求める生態系をつくりだすことが最大の目的です。

・クラウドファンディングに掲載中の企画はこちら⇒【コンセプトはブランク】ニューカルチャーが生まれるCRAZY CAFEオープン

[showwhatsnew]
1 2 3