途上国の子どもに映画を届ける活動をしている特定非営利活動法人CATiC(キャティック)は、先進国の人が映画を観たり映画を楽しんだりすることで、途上国の子どもにも映画のチケットが届く仕組みを作ろうと奮闘中だ。同団体が主催する映画に関するイベントに参加することで、経費を除く収益が途上国での活動への寄付となる。(オルタナS副編集長=池田 真隆)

10月31日のハロウィンの日には、「オズの魔法使い」を鑑賞

10月31日のハロウィンの日には、「オズの魔法使い」を鑑賞

現在、CATiCではカンボジアに駐在している山下龍彦さん(上智大学3年生)が、カンボジア人の元映写技師たちと共に農村部の村を回り、月に約800人の動員ペースで映画を届けている。だが悩ましいのが運営資金だ。

「ヘルシーメニューを食べたらそのうち20円が寄付となり、アフリカの子どもに給食が届くTable for Twoのように、自分にも良いことが起こることで自然に寄付できる仕組みの映画版を作りたいと考えていた」と語るのは、同団体代表の教来石小織さん。最初は日本の映画の鑑賞券全てに寄付をつけたいと考えていたそうだが、一本の映画に寄付をつけることはできても、映画全てに寄付をつけるのは難しかったという。

映画業界は華やかな世界に見えるが、近年日本の映画興行収入は伸び悩み傾向にあり、市場自体は大きなものではない。また若者の映画離れの問題も抱えている。

映画を鑑賞することにより、途上国の子どもも映画が観れる

映画を鑑賞することにより、途上国の子どもも映画が観れる

そこで考えたのが、映画に関するイベントを紹介し実施していく「Filmeet(フィルミート)」(現在サイト作成中)だ。「映画に出会う、人に出会う」がコンセプト。映画のイベントといえば映画上映会を思い浮かべるが、上映するには権利料が発生する。同団体では権利をクリアした上で上映会も実施しているが、上映会でなくても映画をきっかけに人とつながれる場を作りたいと考えた。

参加者同士で劇場公開中の映画を観に行った後、映画のテーマについて話し合う懇親会、専門家から話を聞くことで映画の世界に一歩深く入り込むトークショーなど、映画で人とつながれるイベントを大学生メンバーたちが中心になって企画している。

年内は、スター・ウォーズ研究の第一人者である河原一久氏と映画パーソナリティーの伊藤さとり氏を招いたトークショー「1時間でわかるスター・ウォーズ」や、クリスマスにお勧めの映画をプレゼンし合う「映画プレゼン大会」などを実施予定。

現在は同団体でのみ開催しているが、ゆくゆくはこの仕組みを使って全国で誰もがイベントを開催できるようにしていきたいという。映画に興味のなかった若者が映画に興味を持つきっかけにもなるかもしれない。

動画配信サービスが増え、映画を一人でインターネットで観る時代になってきた今だからこそ、映画をきっかけに人とつながれる「場」も重要になってくるのではないだろうか。

【1時間でわかるスターウォーズ】
とき:12月6日(日)18:00~
ところ:ソーケン・ソーシャルサロン(東京都中央区新川1-5-18)
参加費:無料
定員:30人
申し込みはこちら

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