認定NPO法人フローレンスは12月14日から、クラウドファンディング「READY FOR(レディフォー)」で赤ちゃん縁組事業の立ち上げ資金を集めている。目標金額は2500万円だが、開始1週間で1054人から2305万5000円が集まっている。日本国内では、2週間に1人の割合で0歳児が虐待死しているなか、赤ちゃん縁組団体への政府からの支援は乏しく、対応が求められていた。(オルタナS副編集長=池田 真隆)

赤ちゃん縁組の事業モデル

赤ちゃん縁組の事業概要

赤ちゃん縁組事業とは、妊娠期から課題を抱える妊婦の相談に乗り、出産と同時に、子どもを望む育ての親に託す取り組み。愛知県で30年前から実施されてきたが、全国には波及してこなかった。その理由について、同団体が厚生労働省に問い合わせたところ、「児童相談所の多くは、より命に直結する児童虐待への対応で人手が足りない」という返答だった。

赤ちゃん縁組を担ってきたのは、産婦人科医や福祉関係者らの民間ボランティアだった。しかし、手弁当で団体を立ち上げたため団体を運営していく資金がなかった。フローレンス代表理事の駒崎弘樹さんは「行政からの支援も全くなく、どの団体も運営に苦心しています」と言う。

今回の赤ちゃん縁組事業を成功させ、モデルケースをつくり、政策に反映していくことを目指す。同団体は2010年、「おうち保育園」という小規模の保育園を始めた。その保育園がモデルケースとなり、2015年には「小規模認可保育所」として国策化された実績を持つ。

今回はレディフォーで資金を集めるが、集まった資金を寄付として受け取れる寄付型クラウドファンディングで挑戦している。仕組みは、通常の購入型クラウドファンディングと変わらないが、寄付者は寄付控除を受け取れ、団体は寄付として集められるので、課税の対象にならないというメリットがある。

◆現在、クラウドファンディングに掲載中のプロジェクトはこちら⇒赤ちゃんを虐待死から救う「赤ちゃん縁組」事業を立ち上げたい!

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