大手化粧品メーカーの花王が、動物実験が行われた化粧品原料を調達しないよう、動物実験の有無について書面による確認を始めていたことがわかった。同社は2015年6月、化粧品の動物実験を廃止すると公表したが、外部から購入する原料に対しての動物実験の有無についての対応を市民団体から指摘されていた。(オルタナS副編集長=池田 真隆)

花王へ原料調達まで動物実験の有無を確認するように訴えていたのは、美しさに犠牲はいらないキャンペーン実行委員会。同委員会は昨年6月、同社へ「化粧品の動物実験廃止にかかる原料調達方針の策定を求める要望書」を提出していた。

その半年後の12月中旬に、花王から同委員会へ書面が送られた。その書面では、「化粧品(薬用化粧品を含む)に使用する新たな原料の調達に際して、関係部門と協議し、動物実験の有無などの状況を新たな書式の書面ですべて確認することによって、『動物実験していない原料調達』を徹底する」とされている。

この書面による確認は、昨秋からすでに実施しているという。美しさに犠牲はいらないキャンペーン実行委員会は、花王の対応について、「メーカーが動物実験廃止を宣言するには原料調達まで徹底することが必要であるとの規範を示した。大きな前進である 」と評価した。「シェアの高い花王の動物実験廃止方針が取引のある多くの原料メーカーでも遵守されるようになれば、おのずと動物実験の需要は減っていくことになる」。

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