ソーシャルビジネスを行ううえでの悩みを、ボーダレス・ジャパン(東京・新宿)の田口一成社長が答えるシリーズが始まりました。ボーダレス・ジャパンは2014年度の売上高15億円を記録し、ソーシャルビジネス業界をリードする注目の企業です。今回質問したのは、途上国の子どもに映画を届ける活動をしている特定非営利活動法人CATiC(キャティック)代表理事の教来石小織さんです。

今回質問した教来石さんは途上国の子ども向けに映画上映活動を行っている(写真真ん中奥)

今回質問した教来石さんは途上国の子ども向けに映画上映活動を行っている(写真真ん中奥)

Q.ソーシャルビジネスを語るときに「寄付は持続性がないから」という話をよく聞きます。でもそれは「寄付に持続性がない」のではなく「持続性のある寄付の仕組みを作れていない」だけなのでは、と感じることがあります。また、収益事業と寄付のミックスで適切なバランスを取ることも重要だと思います。ソーシャルビジネスを考える中での「寄付」のあるべき立ち位置についてどのようにお考えですか?

ボーダレス・ジャパンの田口一成社長

ボーダレス・ジャパンの田口一成社長

A.教来石さんのおっしゃる通り、「寄付に持続性がない」のではなく、「持続性のある寄付の仕組みをつくれていない」ことが多くのNPOやNGOが抱えている課題ですよね。だから、ビジネスが商品をお客さんに買ってもらうために、商品の付加価値や適正な値付けなどについてマーケティングするように、非営利団体も寄付金を集めるためには、同じように寄付者に対するマーケティングの観点を忘れないことが大切ですよね。「いいことをやっているから」と、善意に頼るだけでは大きな動きにはならないので、寄付者のマインドを考えてより多くの寄付金が集まる仕組みを考えることが大切ですね。

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