「経済的に回る仕組みをつくる」という意味においては、株式会社もNPOもNGOも同じで、扱っている商品・分野が違うだけなのかも知れないですね。
だからかもしれませんが、ソーシャルビジネスという言葉は、今はとても曖昧なモノになってきていますよね。企業のCSR活動のようなこともソーシャルビジネスと呼ばれれば、NPO・NGOが収益事業の一環として物販をすれば、これもまたソーシャルビジネスと呼ばれる。もはや、みんなが都合よく使う、便利な言葉になり下がってしまっている。
「社会性」という意味で「ソーシャル」という言葉を使えば、どの会社も誰かの役に立つから存続している訳で、その意味ではどの企業もみんなソーシャルビジネスになっちゃいますしね。もちろん、社会問題の解決そのものを目的とした事業を、環境に配慮したやり方で行い、働く人の幸せを考えた仕事内容や賃金体系、利益配当のあり方などトータルで見た倫理観をもってして「ソーシャルビジネス」と言えるとは思いますが、その線引きは曖昧ですよね。
なので、「ソーシャルビジネスだからこうあるべき」というのは、あまり考える必要はないかなと僕は思っています。「寄付のあるべき立ち位置」も特にこれというものはあるべきではなく、常に自分が解決したい社会問題に対する「最適な」アプローチをゼロベースで考えることが一番大事ですよね。
寄付が有効な場合はNPOという形態をとるし、販売という方法が向いていれば株式会社にする、シンプルに実効性を追求するのが良いと思っています。
当たり前のことばかり言って、あまりいい答えにならず、ごめんない。色々理屈をつけて「ソーシャルビジネスにおける寄付はこうあるべきだ」とカッコよく言うこともできるんでしょうが、最初に枠をつくっちゃうと、どうしても発想がしばれちゃうので、僕はできるだけそういうことを避けています。僕ら社会起業家はできるだけ枠をつくらず、問題の本質にフラットに向き合い、あらゆる手段の中からその最適解を導き・実行するのが重要だと思います。
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