山形県内でも有数の豪雪地・真室川町の観光物産協会は2月27・28日、「ホワイトアスロン2016」を開く。同大会では、踏み俵やかんじきなど、昭和50年頃まで用いられていた道具を使った創作スポーツをチームで競い合う。豪雪は、人口流出の要因の一つになるほどマイナス要素が強いが、その雪を楽しみ尽くすことで人口減少を吹き飛ばしたい考え。(オルタナS副編集長=池田 真隆)
大会への参加は、1チーム5人で受け付ける。1人単位での参加も受け付けており、実行委員会が同様の参加申込者とマッチングを行い、5人チームを編成する。
競技種目は、5つ。圧雪されていないコースを、踏み俵を履いて走る「踏み俵リレー走」、圧雪されたコースを走りゴール地点に設置されたフラッグの獲得点数を競う「スノーフラッグ」、圧雪されたゲレンデコースをかんじきと肥料袋を駆使して往復し、走破時間を競う「かんじきヒルクライム&けっつぞり」、圧雪されたコースを走り、雪玉を的に当てたのち同一コースを走り走破順位を競う「雪玉的あて」、圧雪された地面で綱引きを行う「雪上綱引き」。
真室川町は山形県内陸部の最北部に位置し、県内でも有数の豪雪地帯。人口は8,136人(2015年国勢調査速報値)で37年前(1979年)と比べて、4千人強減った。2010年と比べた、人口減少率は県内ワースト2位の11.2%となっている。
大会の企画・運営にかかわる真室川町の地域おこし協力隊員・梶村勢至さんは、「こうした人口減少は複数の要因が複雑に絡み合って発生しているものですが、雪に起因したさまざまな問題がネックになっているのは間違いありません」と話す。町では、「雪が降らなければいい町なのに」と雪を嘆く言葉が盛んに聞こえてくるという。
実際、除雪作業には大変な労力と時間、コストがかかる。雪に閉ざされることで4カ月近く田畑に入ることができないこともある。しかし、一方で、雪深いおかげで、発達したものもある。
それは、「保存食などの暮らしの知恵や郷土料理が発達していること」、「伝承野菜と称する在来種が豊富に継承されていること」、「番楽や童歌などの伝統芸能が各集落で受け継がれていること」、「農業や暮らしと切り離すことのできない風俗・風習が伝えられていること」、そして、「4カ月近く大地が冬眠することで、山菜や川魚などの恵みが豊富なこと」である。
梶村さんは、「このような価値が、真室川らしさを形成している」とし、雪へのネガティブな意識や感情をプラスに変え、人口減少のスピードを少しでも抑えたいと言う。
ホワイトアスロン2016は、1チーム3000円または個人参加600円から受け付けている。申し込みは公式HPから。
開催概要【ホワイトアスロン2016】
【イベント名】ホワイトアスロン2016
【主催】真室川町観光物産協会
【開催日】平成28年2月27日(土)及び2月28日(日)
【会場】秋山スキー場 山形県最上郡真室川町大字木ノ下1791
【競技】雪上スポーツ5種目
【参加費】1チーム3,000円又は個人参加600円(傷害保険料込)
【定員】40チーム
【表彰】1~3位、各種目1位、その他パフォーマンス賞あり
【参加資格】小学生以上
【参加申込】①公式HPから申込み (http://whiteathlon.base.ec/)
②チラシ付属の参加申込書により郵送又はFAXにて申込み(チラシ作成中)
【情報発信】公式HP・フェイスブックページ(facebook.com/WhiteAthlon/)