トヨタ財団は3月1日、トヨタNPOカレッジ「カイケツ」のキックオフシンポジウムを開いた。同講座は、NPOなど非営利団体を対象に、トヨタ自動車の組織マネジメントを伝えるもの。講座は5月から始まり、同日、トヨタ自動車東京本社で講座内容の説明などが行われ、250人が集まり満員となった。(オルタナS副編集長=池田 真隆)

会場にはNPO関係者などを中心に250人が集まった=3月1日、トヨタ自動車東京本社で

会場にはNPO関係者などを中心に250人が集まった=3月1日、トヨタ自動車東京本社で

キックオフシンポジウムでは、同講座の企画にかかわった担当者が登壇し、パネルディスカッションを行った。登壇したのは、古谷健夫・トヨタ自動車業務品質改善部主査、木村真樹・あいちコミュニティ財団代表理事、山元圭太・PubliCo代表取締役COOで、ファシリテーターは森摂・オルタナ編集長が務めた。

NPO成長の条件をテーマにシンポジウムは開かれた

NPO成長の条件をテーマにシンポジウムは開かれた

シンポジウムのテーマは「成長できるNPOの条件」。多くの非営利組織の経営改善にかかわってきた山元氏は、成長できるNPOには、「社会を変える計画書がある」と話す。社会を変えていくには、自団体だけの活動計画に加えて、行政や地域社会、他団体を巻き込んだ計画が必要と指摘した。

あいちコミュニティ財団の木村氏が代表理事を務めるNPOバンク「コミュニティ・ユース・バンクmomo」では、NPO向けに上限500万円の融資を行ってきた。活動を始めて11年目になるが、これまで貸し倒れはゼロだ。momoは9つの金融機関と連携して、地域課題の解決に取り組んでいる。木村氏は、「融資上限額以上は金融機関に話をつなげたり、連携している金融機関からは、人材育成として職員を送りこんでくれている」と話した。

今回のトヨタNPOカレッジ「カイケツ」で講師を担当する古谷氏は、活性化する組織の条件として、「トップがどこを見ているのかが大事。加えて、社会の変化に対応できる組織風土」を挙げた。

■講座は5月から

トヨタNPOカレッジ「カイケツ」では、「取り組むべき問題を選定」、「現状把握」、「目標設定」、「要員解析」、「対策立案」、「対策実行」、「効果確認」、「標準化・管理定着」という流れで、参加するNPOが抱える課題をトヨタのノウハウで解決へ導く。この講座の定員数は30人。講座では、6人で1テーブルを組み、各テーブルには1人の講師がつく。

5月から12月までの全6回の連続講座。参加申し込みは3月1日から、トヨタ財団の公式サイトで受け付けている。

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