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いまも様々な議論が行われている”原発”。そして、それとともに議論が盛んに巻き起こっている”これからのエネルギーのこと”。

 

あまり専門的なことは分からないからって自分には関係ないと思ってしまうけれど、いま話題になっている次世代エネルギーを知っておくことは、僕たちの未来にとって重要なはず!そんな思いで『これからのエネルギーの話を聞こう』シリーズを始めます。分かりやすいタイトルですね!

 

■石油の次は、マグネシウムだった!?


さて記念すべき第一弾は、最近twitter上でも盛り上がりを見せている、マグネシウムを活用した循環型のエネルギー社会。

 
togetter:原発の代替案を考えていたらマグネシウムにたどり着いた
togetter:太陽光励起レーザーとかマグネシウムとか

 

まずはどんなものか知らなくてはいけませんね!
以下はマグネシウム循環型社会を推進する東工大教授の矢部孝さんの情報を集めたウェブサイト『The Magnesium Civilization』からの引用です。

 

現在の「エネルギー通貨」は、電気です。電力網を介して流通し、熱や動力、証明などさまざまな用途に使われます。最近まで、将来のエネルギー通貨になる可能性があるのは水素だと言われていました。しかし、私たちが考える次世代のエネルギー通貨は、本物の通貨と同じ金属。アルミニウムよりも軽く、銀白色の輝きを放つ金属、マグネシウムです。
海水中には、1800兆トンという大量のマグネシウムが含まれています。このマグネシウムを「太陽光励起レーザー」を利用して製錬すれば、自動車や発電所の燃料として利用することができます。生成された酸化マグネシウムは、太陽光励起レーザーを利用することで金属マグネシウムとして再生することが可能です。
海水からマグネシウムを取り出すには、太陽エネルギーを利用した低コストで高効率の淡水化装置を使います。これはまた、世界的な水不足への解となるでしょう。

『The Magnesium Civilization』マグネシウム循環社会とは? より

 

うん、なんだかすごそう!
しかしながら、マグネシウムを燃料として利用するという案は、過去にも出ていたようですが、その製錬には莫大なコストがかかるため、燃料としての利用は費用対効果に見合わないと敬遠されてきたそうです。

では、なぜマグネシウムが次世代エネルギーとして注目を浴びているのでしょうか?

 

■太陽光励起レーザーがすべてを変えた!?

 

マグネシウムの燃料利用に一筋の光を見出したのは、レーザー核融合を研究していた東工大教授の矢部孝さんでした。

 

20000°C相当のエネルギーを与えれば、触媒なしでマグネシウムを製錬できます。しかし、20000°C相当に相当する膨大なエネルギーを投入することは可能なのでしょうか?
子ども時代に、虫眼鏡を使って太陽光を集めて紙を焼いて遊んだ経験は、みなさんにもおありでしょう。ただ、集光によって実現できる高温には理論的な上限があります。それは6000°Cです。つまり、いくら太陽光を集めても、その発生源である太陽表面の温度を超えることはできません。けれど、人間の知恵を活かせば、さらに温度を上げられます。それが、「太陽光励起レーザー」です。

『The Magnesium Civilization』低コストで超高温を実現する「太陽光励起レーザー」 より

 

海水に含まれる無尽蔵のマグネシウムを「太陽光励起レーザー」により、低コストでの抽出に成功したというのです。これがきっかけで、上記のようなマグネシウム循環型社会の構想が出てきたわけですね!

 
この構想が実現するかどうか、今後の動向を注視していかなければなりませんが、これからのエネルギーを考える一つのアイデアとして覚えておくのは大切なことだと思います。

 

■もっと知りたいかたはこちらから!
The Magnesium Civilization

世界は、石油文明からマグネシウム文明へ

 

みなさんも、こんなエネルギーがあった!うーん、これはどうも違うんじゃない?などの意見をお寄せください。これからのエネルギー、一緒に考えていきましょう!(オルタナS副編集長 高橋 遼)