特定非営利活動法人NPOコミュニケーション支援機構(a-con)はNPOのコミュニケーションを無償でサポートする。活動を始めて、10年目を迎えた。同団体には、広告・PR業界で働く約200人のプロボノメンバーがおり、プロジェクトごとに20人弱でチームをつくる。デジタル時代のNPOコミュニケーションについて、同団体の加形拓也代表理事は「メッセージの出し分けが重要」と言う。(オルタナS副編集長=池田 真隆)

NPOコミュニケーションについて話す、a-con代表の加形さん

NPOコミュニケーションについて話す、a-con代表の加形さん

加形氏は、NPOのコミュニケーションについて、「メッセージの出し分け」が重要と話す。メッセージの出し分けとは、その団体が伝えたい内容を複数のコンテンツに分けて、発信していくことだ。コンテンツの反響を比べて、どのような内容が最も効果が高いのか見つける。

マス・マーケティングでは、メッセージを絞って、伝えることが主流だが、デジタル時代には、「言いたいことは全部伝えてみること」が有効だという。ブログやSNSで情報を発信しながら、マーケティングを行う。

加形氏は、「社会問題に取り組む団体は、思いが強く、伝えたいメッセージの量は多い。NPOには、この方法が合っている」と言い切る。

同団体では、この戦略でNPOのコミュニケーション支援を行ってきた。これまでに、40団体ほどを支援した実績がある。

障がいを持った女性の支援を行うDPI女性障害者ネットワークのメンバーと写る、a-conのプロジェクトメンバー

障がいを持った女性の支援を行うDPI女性障害者ネットワークのメンバーと写る、a-conのプロジェクトメンバー

毎月1回(第3土曜日)、プロボノ向けの説明会を開き、現在200人ほどが登録している。問い合わせのあったNPOの案件ごとに、プロジェクトメンバーを20人弱募る。NPOにヒアリングして、課題を把握し、目標数値を目指す。1プロジェクト、3カ月間と期間を決めているので、短期集中型でメンバーが取り組む。

加形氏が団体を立ち上げたのは2007年。大学卒業後、大手広告代理店で働き4年目の年だ。立ち上げようと思ったきっかけは、学生時代に行っていた環境活動の同窓会に行ったこと。同窓会で、「NPOのコミュニケーションに関する勉強会をやりませんか」と話すと、多くの人が集まってきた。この反応から、団体の設立を決めた。「NPOのコミュニケーションを変えていきたい」と意気込む。

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