ヤフーのCSRの「あるべき姿」とは何か。今年、日本法人設立20周年を迎えるヤフーは、これまでの事業や社会貢献活動を振り返り、これからも社会の期待に応え続けるため、2016年2月19日にステークホルダー・ダイアログを開催しました。その模様をご報告します。後半は、「復興・災害支援」「ICT教育やネットの安心・安全」「ネット募金」「移転先での地域共生」をテーマに、ヤフーはどのように貢献できるか、未来志向で議論しました。(文=今井 麻希子 写真=川畑 嘉文)
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ヤフーの社会貢献などの取り組みについて、未来志向で議論した

ヤフーの社会貢献などの取り組みについて、未来志向で議論した

【出席者】
川村雅彦氏(ニッセイ基礎研究所 保険研究部 ESG研究室長)
駒崎弘樹氏(認定NPO法人フローレンス代表理事)
田中美咲氏(一般社団法人防災ガール代表理事)
加納美幸(ヤフー株式会社コーポレート統括本部コーポレートコミュニケーション本部本部長)
妹尾正仁(ヤフー株式会社コーポレート統括本部コーポレートコミュニケーション本部社会貢献推進室室長)
司会
森 摂(株式会社オルタナ代表取締役兼「オルタナ」編集長)

ヤフー株式会社コーポレート統括本部コーポレートコミュニケーション本部本部長の加納美幸

ヤフー株式会社コーポレート統括本部コーポレートコミュニケーション本部本部長の加納美幸

■復興支援の次のステップへ

加納:ヤフーでは東日本大震災の復興支援に取り組むため、2012年7月から宮城県石巻市に事務所をおいています。震災から5年がたち、復興から事業再建へと現地のニーズが変わりつつあるなか、現地で本当に求められるものは何かをあらためて考え直す時期を迎えています。

川村:「何をするか」も大事ですが、それ以上に「何に貢献するか」を明確にしないと、活動自体が持たなくなりますよね。

妹尾:社会が必要とするアクションに、ヤフーの活動をあわせていくことが必要です。「復興デパートメント」を使ってくださっている方も、いろいろなニーズを抱えています。ヤフーは「規模」で貢献できることがあると、事業の拡大につながる場を提供してきました。次のステップに求められる課題にも、目を向けていきたいですね。

田中:一般的に「復興=東北」と捉えられていますが、その他にも大きな自然災害はたくさん起こっていて、緊急度の高いエリアもあります。全国的に、まだまだプレイヤーが足りていません。クライシスレスポンス(危機対応)という意味で、地域をひとつに限定しないことも大切だと思います。

駒崎:高齢化、産業の衰退といった日本の各地で問題になることが先鋭的に東北被災地で起こり、解決策が生まれています。大切なのは内発的発展(※)です。起業家がビジネスの種をまいて、経済をまわし、雇用を生む流れをつくるために、東北の起業支援ができるといいですよね。ヤフーはYJキャピタルやインキュベーションのノウハウを持っていますし、ヤフーのベンチャースピリットを継承するという意味でも、この地で挑戦したい人を応援していただけたらと思います。

東北以外の地域に関しては、次に大きな災害が起きた時のそなえとして、東日本大震災からの教訓を生かして、災害プラットフォームのようなものをつくるのも有り得るのではないでしょうか。
(※)内発的発展: 地域住民自らが、主体的な合意形成をへて、自らの手で地域の課題解決に取り組み、発展を目指すこと。

川村:それは、日本全国版のBCP(ビジネス・コンティニュイティ・プランの略で、事業継続計画)になるかもしれませんね。

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