個人の所有を減らし、共有し合うギフトエコノミーで生まれた手作り人形が世界に広がっている。これまでに500万体以上が作られ、80カ国に配られた。作り手は、「津波で受けたトラウマの癒やしに有効」と言う。(オルタナS副編集長=池田 真隆)
この人形の名称は「ツナミカ」。企画したのは、インドでエシカルファッションブランド「UPASANA」を立ち上げたウマ・ハイマバティ氏。ウマ氏は、ギフトエコノミーが広がるインド・オーロビルで暮らしており、助け合いの精神に基づき事業を行っている。
そのため、このツナミカも販売はしていない。落ち込んだ人や不安を抱える人などを励ますギフトとして、無償で配布してきた。作っているのは、スマトラ沖地震による津波で、被災しインドの漁婦たち。ウマ氏は彼女たちをエンパワメントするために、ツナミカを企画した。これまでに、600人以上の漁婦が作り方を教わった。
この人形の素材は、縫製工場でゴミとして出た布を使っている。ツナミカは2005年から作られ、これまでに500万体以上が世界80カ国に贈られた。インド政府やUNESCO(ユネスコ、国際連合教育科学文化機関)などから、功績を評価された。
ツナミカについてウマ氏は、「友情や愛情の証として存在している。傷ついた人の心を癒したい」と話す。ウマ氏は9月29日まで、ベルサール渋谷で開かれている「インドトレンドフェア」に出展中。
Upasanaでは、エシカル・ファッションを学びたい学生や、関心のある方のインターンシップを受け入れている。連絡先はDana Village(contact@danavillage.com)まで
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