NPO大学では、毎月若手NPOの代表をゲストに招き、活動内容についてお話してもらっています。話を聞いた受講生は、各自が「おもしろい!」と思った内容を600文字ほどで記事化します。今回は、ゲストにエシカル協会代表の末吉里花さんを招き、「エシカルの新潮流」と題して講義してもらった内容を、向井 里花さんの視点で振り返ります。
◆
まだ聞きなれない「エシカル」とは、何なのだろうか。それは、社会全体で「より良く」を目指す生き方や価値観のことである。一般社団法人エシカル協会代表の末吉里花さんの話を聞いて、感じたことをまとめた。(向井 里花)
末吉さんはアナウンサーとして、あらゆる国を渡り歩いた経験から、世界が直面している貧困・環境・人権などの社会問題を目の当たりにしてきた。
複雑に絡み合った諸問題に対して、人間が経済活動を営む中で解決できる唯一のキーワードとして辿り着いたのが、エシカルである。
経済活動は、文明を発展させ、豊かな社会を築いてきた。IT化によって、世界はつながり、距離を超えてコミュニケーションが取れる。便利になった一方で、犠牲が生じていることも事実だ。
その犠牲はなぜ起きるのか、そして、誰が起こしているのか。私たち一人ひとりの行動によるしわ寄せであると知った時、思わず背を向けたくなった。しかし、持続可能な発展を目指す上で、誰かに想いを馳せることのできる人間の「思いやり」は、この犠牲をゼロにすることができると信じたい。
エシカルとは、誰もが持っている良心そのものである。エコバッグを持ち歩くのが当たり前になるように、世界の経済活動の判断基準として、エシカルがあることが当たり前になることを願っている。
執筆者:向井里花(福岡教育大学教育学部4年)
広島出身の、カープ女子。趣味は野球観戦、日本酒、フラダンス。夢は自家製チーズ屋さんを営むこと。福岡教育大学では家庭科を専門的に学び、現在は消費者教育分野の研究室に所属。売る人も買う人も幸せになる「エシカル消費」の浸透を目指し、企業側からのアプローチや、情報提供方法について研究中。