NPO大学では、毎月若手NPOの代表をゲストに招き、活動内容についてお話してもらっています。話を聞いた受講生は、各自が「おもしろい!」と思った内容を600文字ほどで記事化します。今回は、ゲストにエシカル協会代表の末吉里花さんを招き、「エシカルの新潮流」と題して講義してもらった内容を、高山 壮さんの視点で振り返ります。

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一般社団法人エシカル協会(東京・品川)は商品の背景にあるストーリーを伝える活動を行う。消費者が安さだけで商品を購入するようになると、末端の生産者にしわ寄せがいく。同協会は、エシカル消費がこうした不平等、不公正を是正する一つの手段になりえると考える。(高山 壮)

同協会がエシカル消費やライフスタイルの啓蒙活動をする理由は、大量生産消費の構造が引き起こす不公正な現状にある。

普段、私たちが手にする商品について、誰が、どこで、どのように作っているのかを知ることは難しい。消費者が価格だけを基準に商品を選ぶようになると、途上国での人権を無視した労働や、環境に配慮しない原料調達につながる。

同協会を立ち上げた末吉里花さんは、その問題を解決するために、商品の裏側を伝える。エシカルとは、直訳すると「倫理的」という意味の形容詞。良い行為の総称だ。だが、良いの定義は人によって異なり、抽象的で、意味を伝えづらかった。そこで、末吉さんはエシカルの覚え方として、こう提案した。

「エ:影響を シ:しっかりと カル:考える」

商品は見えない誰かによってではなく、人によって作られている。その人たちについて考え、知ることで、より多くの消費者が価格だけでなくエシカルな選択をしていける。そして、その積み重ねで、より公正な社会に近づけるだろう。

執筆者:高山 壮
フリーランスのファッションデザイナーとして働いています。ここ数年の、ファッションの生産や消費に対する問題に関心をもち、そこから様々な社会問題とそれに対応するNPO団体があることを知りました。この機会に、問題に対する知識を深め、またデザインという仕事で何か役に立てる方法を考えていきたいとおもいます。

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