NPO大学では、毎月若手NPOの代表をゲストに招き、活動内容についてお話してもらっています。話を聞いた受講生は、各自が「おもしろい!」と思った内容を600文字ほどで記事化します。今回は、ゲストにNPO法人アニマルライツセンター代表の岡田千尋さんを招き、「動物愛護」と題して講義してもらった内容を、高山壮さんの視点で振り返ります。
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NPO法人アニマルライツセンター代表理事の岡田千尋さんがこのほど、動物愛護に関する講義を行った。岡田さんは、週に1回は肉を食べない「ミートフリーマンデー」を紹介した。これは地球温暖化へ対応する運動で、私はこれを食と命のつながりについて考える機会として提案したい。(高山 壮)
私は動物愛護の意識というのは、つながりの意識から生まれてくるものだと思う。多くの人が、種の違う生き物に愛着を覚えるのは彼らとの間に命としてのつながりを感じるからだろう。
しかし、スーパーマーケットで並ぶパックの肉にそのつながりを感じることは難しい。私たちが無関心であれば、生産の過程も効率のみを重視したものとなる。畜産動物の過密飼育や、生態に配慮しない拘束、感染症防止のための薬物使用。
畜産は地球温暖化の大きな原因の一つと言われている。畜産動物のゲップは空気中にメタンガスを発生させる。その量はメタンガス全体の18%で、これは車やトラック、飛行機などの交通機関の排出量より多い。この問題に食肉の消費量を減らすことで貢献しようという運動がミートフリーマンデーだ。
私はこのミートフリーマンデーを食と命のつながりを考える機会として提案したい。歌手のポール・マッカートニーさんは、週一回の食肉を控えるというこの運動を推奨している。彼は同キャンペーンのインタビューで、自身の経験をこう話した。
「それまで食べていた羊の肉と、一緒に遊んでいた羊が頭のなかで繋がった」と。
日々の食事で関わる命と、その上で生きている私たちとの間のつながりはとても大切なものだ。その大切なことを忘れてしまわないように、週一回、または月一回、ミートフリーマンデーを通して考えてみるのはどうだろうか。
Paul McCartney interview with Meat Free Monday All Japan
執筆者:高山 壮
フリーランスのファッションデザイナーとして働いています。ここ数年の、ファッションの生産や消費に対する問題に関心をもち、そこから様々な社会問題とそれに対応するNPO団体があることを知りました。この機会に、問題に対する知識を深め、またデザインという仕事で何か役に立てる方法を考えていきたいとおもいます。