CSRコミュニケーションの調査を行う一般社団法人 CSRコミュニケーション協会は1月30日、国内時価総額上位企業のCSRウェブコンテンツの情報開示レベルを調査した。調査によると、1位はKDDI、2位は資生堂、3位は伊藤忠商事となった。今回の調査は、デジタルコミュニケーションの識者による、非財務情報の開示レベルを調査したもので、日本初。(オルタナS副編集長=池田 真隆)
トップ10入りした企業と点数は下記。
1位 KDDI(126)、2位 資生堂(118)、3位 トヨタ自動車(114)りそなホールディングス(114)伊藤忠商事(114)、6位 NEC(112)、SOMPOホールディングス(112)、マツダ(112)、リコー(112)、10位 ローム(110)、野村ホールディングス(110)。
この調査では、即時性、網羅性、利便性、戦略性、拡張性、視認性、客観性の7つの視点で報充実度/情報開示姿勢/アクセシビリティを評価・格付けした。今回の調査対象は、国内時価総額200位までの企業。同協会のサイトには、100位までのランキングが掲載されている。
■モバイル端末の表示対応は54%
「トップページのみ」を含めて、CSRウェブコンテンツがモバイル表示対応をしている企業は「54%」(104社)だった。その中で情報充実度とアクセシビリティが満点だった企業は「39.5%」(79社)。他のカテゴリーページ同様にモバイル対応が半数を超え普及期に入っている様子が伺えた(同協会)。
■ソーシャルメディアの活用は29.5%
定期的にソーシャルメディアでCSR関連情報を発信している企業は「29.5%」(59社)。調査対象企業では、CSR報告書を発行している企業は多いものの、制作したCSRコンテンツの活用があまりされていない現実が垣間見えた結果と、同協会は評した。
■CSRカテゴリーは99%が有り
サイト内にCSR関連コンテンツ(CSR/環境/社会貢献)を作り、ページの上部もしくは側面のナビゲーションにCSR関連カテゴリーがあった企業は「99%」(198社)だった。この結果から、同協会は、「ほぼすべての企業では、形だけでもCSRの情報開示へ対応しようとする姿勢が見られ、もはやCSRの情報開示は必須と捉えられている」とした。
■CSRガイドラインの記載は66%
CSRウェブコンテンツ内にCSRガイドラインが明記されている企業は「66%」(132社)。CSR報告書などの資料ファイル(PDF)には参照ガイドラインの記載がある企業でも、コンテンツ内で明記されていないパターンや、ホールディングスが主要事業会社の情報開示に対応しきれていないパターンなどの傾向があった。ガイドライン対応を明記している企業は、総合的な開示レベルが高い傾向にあった。
■CSR戦略の開示は78%が有り
CSR戦略(中長期計画、マテリアリティ、価値創造プロセスなど)がウェブコンテンツ内に明記されているのは「78%」(156社)。その中でもランキング上位企業は、CSR戦略が洗練され明確に開示されていた(同協会)。戦略開示がある企業は総合的な開示レベルが高い傾向にあった。
・一般社団法人 CSRコミュニケーション協会による「CSRコンテンツ充実度ランキング2017」はこちら
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