東日本大震災から今年で6年。支援が減りつつある中、震災発生当初から変わらず、テレビ顔負けのクオリティーのヒーロー姿で、被災した東北3県の子どもたちを訪問・支援し続けるNPOがあります。そんなヒーローの後ろには「子どもたちに笑顔と勇気を取り戻してほしい」と奔走する本当にかっこいい大人たちの、熱い物語が潜んでいました。(JAMMIN=山本 めぐみ)

被災地で活動する「破牙神ライザー龍」

宮城発のヒーロー「破牙神(ばきしん)ライザー龍」を運営するNPO法人HERO(宮城)。東日本大震災後の2011年5月に「リュウプロジェクト」を立ち上げ、活動を開始し「破牙神ライザー龍」を制作しました。福島県・宮城県・岩手県の幼稚園や保育園などを無償で訪問し、子どもたちに笑顔を届けてきました。その回数はこれまでの6年間で1,372回にも及びます。

昨年は1年間で250を超える訪問を実施

■きっかけは一本の電話

活動のきっかけは、2011年の東日本大震災直後、イベント制作会社に勤めていたメンバーのもとにかかってきた一本の電話。「避難所の子どもたちのために、テレビヒーローを呼ぶことはできないか」というものでした。

しかし、様々な事情から訪問を叶えることはできませんでした。「だったら、自分たちで著作権にとらわれないヒーローを作って、子どもたちに会いに行こう」と「リュウプロジェクト」を立ち上げたのが、活動の始まりです。

■子どもたちのための「真のヒーロー」

テレビヒーローに全く引けを取らないクオリティーの高さが「破牙神ライザー龍」の特徴です。それもそのはず、「リュウプロジェクト」を立ち上げたメンバーのほとんどは、過去20年以上にわたり東北地区でのキャラクターショーにプロとして関わってきた人達。

数々の現場を経て得てきたノウハウと、キャラクター造形や音楽など各分野のプロフェッショナルとの付き合いが、高いクオリティーを生み出しました。

「子どもたちが会いたがっているのは『本物のヒーロー』。だから、本物のヒーロー作りにこだわった」。NPO法人HERO代表理事の佐藤真実さんはそう話します。

「破牙神ライザー龍」の行く先は、いつも子どもたちの笑顔であふれている

「ヒーローを通じて、被災地の子どもたちに笑顔と勇気を与えたい」という「リュウプロジェクト」の思いは世界的に著名なクリーチャーデザイナー・韮沢靖(にらさわ やすし)氏にも伝わりました。

韮沢氏は、ショーに登場する怪人デザインを提供したほか、自身が出演するトークライブに「破牙神ライザー龍」を招待したり、自らグッズ販売に立ったりと、2016年2月に腎不全で亡くなるまで交流が続きました。

韮沢靖氏と。「被災地の子どもたちを笑顔にしたい」という想いで固く結ばれていた

■変わる支援のあり方

震災後しばらくは震災で傷ついた子どもたちに勇気と笑顔を与えるために幼稚園や保育園を訪問していましたが、震災から6年が過ぎた今、幼稚園や保育園にいるのは、直接震災を知らない子どもたち。現在では、現場の声に応え「交通安全教室」や「防犯教室」などを実施しています。

今後は「防災教室」の実施も予定しています。「子どもたちが生きていくために必要な学びの機会を『破牙神ライザー龍』を通じて提供したい」と佐藤さんは話します。

交通安全教室の様子

■活動費用を集めるキャンペーン

年間200回を越す「破牙神ライザー龍」の無償公演のほか、2016年に始動した「ヘアドネーションプロジェクト」で全国の髪の毛を失った子どもたちのもとを訪れるNPO法人HEROにとって、交通費の確保は切実な問題。昨年は、1カ月あたりおよそ13万円の交通費がかかりました。

「もっと多くの子どもたちに、勇気と笑顔を届けたい」。5月22日〜28日までの1週間限定でチャリティー専門ファッションブランド・JAMMIN(京都)とコラボキャペーンを実施し、1カ月分の活動費(交通費)を集めることを目標に、チャリティーアイテムを販売します。

「JAMMIN×NPO法人HERO」1週間限定のチャリティーデザイン

コラボTシャツ1枚につき700円が、NPO法人HEROへとチャリティーされます。

JAMMINのキャンペーンページでは、詳しい内容&インタビューを掲載中。ぜひチェックしてください。

被災地の子ども達を救う!宮城発の本格派ヒーロー『破牙神ライザー龍』の活動背景には、感動の物語があった〜NPO法人HERO

【JAMMIN】
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