住友理工は7月15日、第3回住友理工 学生小論文アワード表彰式を開いた。小論文のテーマは「21世紀型のイノベーションはどうあるべきか?――こんな会社で働きたい」。全国から152本の小論文が集まり、審査の結果、東北での企業研修について論じた佐々木真琴さん(群馬県立女子大学国際コミュニケーション学部3年)と戦略的社会課題解決ビジネスを提案した福田紗千さん(神戸大学経営学部4年)が最優秀次席に輝いた。(オルタナS編集長=池田 真隆)

第3回の受賞者=7月15日、JPタワー名古屋ホール&カンファレンスで 写真:高橋慎一

今回のアワードでは、少子高齢化や子どもの貧困など課題先進国である日本社会で、企業に求められる「21世紀型のイノベーション」について募集した。大学生たちは、技術革新やサステナブル(持続可能)な活動だけにとらわれず、企業文化、企業組織論、経営論、人材教育など多様な角度から、イノベーションについて論じた。

最優秀次席の佐々木さんは、東北出身。東日本大震災のときに、現地にいた。小論文では、復興の過程で起きた「正義のぶつかり合い」について触れて、コミュニケーションやリーダーシップについて学ぶ東北での企業研修を提案した。同じく最優秀次席に選ばれた福田さんは、「戦略的社会課題解決ビジネス」を提案した。企業事例を挙げながら、戦略的社会課題解決ビジネスに取り組むリスクや課題について考察し、具体的な方法について述べた。

優秀賞には、大三智章さん(立命館大学経営学部2年)、高橋愛実さん(中央大学商学部4年)、三輪大貴さん、岸真梨奈さん、齋藤麻奈さん(法政大学人間環境学部3年)、両角光平さん、杉浦響也さん、須藤達也さん、原田達也さん、山口亮さん(東京農工大学工学部2年)の4組が選ばれた。

同アワードの応募資格は、国内の大学生、大学院生、短大生、高等専門学校生(4・5年生)、留学生(*応募時点で大学生・院生であれば、2017年3月卒も応募可)。個人または5人までの団体でも応募できる。文字数は、5000~10000字。

最優秀次席には副賞として賞金50万円が、優秀賞には10万円が贈られた。審査員は5人。河口真理子・大和総研調査本部主席研究員(審査委員長)、大室悦賀・京都産業大学経営学部教授、高岡美佳・立教大学経営学部教授、戸成司朗・住友理工 CSR部長、森摂・オルタナ編集長。

表彰式には、元グーグル日本法人社長の村上憲郎氏を招き、基調講演を行った。テーマは、「21世紀型のイノベーションとは」。村上氏はグーグルの戦略やIoT、スマートグリッドなどについて話した。その後、受賞者と村上氏のトークセッションが開かれ、21世紀型のイノベーションについてディスカッションした。

【第3回住友理工 学生小論文アワード】*五十音順
最優秀次席:佐々木真琴さん(群馬県立女子大学国際コミュニケーション学部3年)「東北に寄り添い、東北で学ぶ〜課題先進国での新しいイノベーションのカタチ〜
最優秀次席:福田紗千さん(神戸大学経営学部4年)「戦略的社会課題解決によって世界中のみんなを幸せに!そんな企業で私は働きたい〜Strategic Solution to Social Problems through Business 3.0〜」
優秀賞:大三智章さん(立命館大学経営学部2年)「全ての社員がイノベーションの開発者となり得る企業-「全社イノベーション」の提案-」
優秀賞:高橋愛実さん(中央大学商学部4年)「常識を覆す『公私混同型制度』を採用する企業で働きたい!~現実と理想のギャップ解消を目指して~」
優秀賞:三輪大貴さん、岸真梨奈さん、齋藤麻奈さん(法政大学人間環境学部3年)「日本企業よ、イノベーションの原点となる経営構想力を取り戻せ!」
優秀賞:両角光平さん、杉浦響也さん、須藤達也さん、原田達也さん、山口亮さん(東京農工大学工学部2年)「21世紀の働き方改革-科学と経営学に基づくイノベーションの提案-」

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