人材不足に悩む寺が、ベンチャー企業に運営業務を委託する動きが起きている。高山善光寺(岐阜県高山市)はこのほど、ベンチャー企業のシェアウィング(東京・港)と組み、地域住民や海外からの観光客が集まる、「開かれた寺」として再生するプロジェクトを行っている。(オルタナS編集長=池田 真隆)

高山善光寺は建立以来宿坊を併設しており、世界中から高山を訪れる方が集まる国際色豊かな宿

7月10日、「TEMPLE HOTEL 高山善光寺」がプレオープンした。ここでは、心身ともに癒す場を提供する。場の開放だけでなく、座禅や瞑想を体験できるようにする予定だ。

宿泊者や地域の皆様の交流の場となるリビングスペース。今まで使っていた家具をうまく再利用してリフォームした

今回、高山善光寺が運営業務を委託したシェアウィングは昨年6月から、外国人観光客などを対象にしたお寺ステイという事業を行ってきた。同事業は、社寺で瞑想などの日本文化を体験するもの。事業を始めて1年が経過するが、利用者は1000人弱に及ぶ。

2016年に岐阜県高山市を訪れた観光客数は前年比約4%増の約450万人。外国⼈観光客の宿泊者数は26%増の約46万人だった。いずれも過去最高を記録しており、アジア圏だけでなく、フランスやスペイン、イスラエルからの観光客の割合が高いのが特徴。夏はヨーロッパからの観光客の割合が高くなるので、日本文化を存分に体感できる宿坊への需要は高まることが予測される。

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