淡路島の魅力を発信するNPO法人あわじFANクラブ。同団体の専務理事・赤松清子さんは「淡路島が嫌いだった」と明かす。団体を立ち上げた経緯や移住定住者を呼び込む心構えを聞いた。(武蔵大学松本ゼミ支局=小嶋 遼太朗・武蔵大学社会学部メディア社会学科2年)
「あわじFANクラブ」の「FAN」とは、Food、Agriculture、Natureの頭文字から取っている。淡路島での自然体験、料理教室、農業体験を通して、淡路島の魅力を島外に発信している。
淡路島に住みたいと考えている人へ相談窓口を開き、島の情報を提供することで、移住定住にも力を入れているNPO法人である。
私は「あわじFANクラブ」の移住定住に関する心構えは、他の島とは違うもの感じた。それはずばり「本気で淡路に来たい人だけを募集している」というところだ。
私の考えでは、「この島は少子高齢化などの問題があって、活力が欲しいからここに住んでください」というイメージを持っていたのだが、「あわじFANクラブ」はそのようなことはしていないようだ。
赤松さんはもともと淡路島が嫌いで、大学も就職も淡路島ではしなかったが、結婚などを考えて、淡路島に戻ってきた。そのとき、今まで気づかなかった淡路島のポテンシャルの高さに気づいたそうだ。そうして、島にある自然の豊かさなどを伝えるために今の活動を始めた。
島外の方がこの活動に参加して、淡路島の良さに気づき、住んでみようという流れに至るという。「あわじFANクラブ」の方から、住んで下さいとお願いするわけでもない。これが他の島との大きな違いだと思った。
しかし、淡路島には移住定住を促進していくうえで、避けては通れない問題もあるという。それは、「空き家問題」だ。
現在淡路島全体の空き家率は22.4%であり、これは兵庫県の中でも断トツの数字だという。空き家が放置されると、軒が傾き、瓦も落ちてきて、集落全体の元気もなくなる。また誰かが勝手に入り込んで火事になったなどの事例もある。
しかし、小松さんはこれをピンチとは考えなかった。むしろまだ使える空き家は地域の資源であると考え、何らかの手当てをすべきだと考えたのだ。このような視点を変えた発想が淡路島をより良い方向へ導いているのだろう。
今回、「あわじFANクラブ」をインタビューさせていただいて、この団体の情熱や島に対する愛情を感じることが出来た。今回の自分の記事を通して、少しでも多くの人に、離島で熱い気持ちを持って活動なさっている団体について知ってもらえたら嬉しい。
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