ボランティアにより、上がった幸福度。

――こうして想いがつながり、ひとつの形になったことについてどう感じますか?

(松)もう感謝の気持ちが至るところで湧いてきます。
今回のことは布団も車も、もちろん宿も提供頂いてますし、本当に、
むちゃくちゃたくさんの方々に支えて頂いているんです。

例えば、今回ボランティアの送迎に使っている車は地元の会社に提供してもらいました。その車は老人ホームのために使われる予定だったんですが、その施設の代表の方が被災されて使われなくなってしまったんですね。
そこで社長も何か役に立ちたいと思っていたところ、私たちで使わせて頂くことになり、社長もすっごく喜んでくれたんです。
私自身も隣町の者同士が協力し、支援の形につなげられたことを、すごく嬉しく
思います。

私が言うのもおかしいかもしれませんが、車が使われることで社長の幸福度も
上がっていると思います。
他にも震災のことで何か具現化したくてモヤモヤしている方がたくさんいるんですが、その方々と一緒に形を作ることができるのは、正直すごく楽しいです。

(渡)松島さんはもう、楽しいというより燃えている感じですよね!

(松)(笑)。そして、ボランティアの方々の間でも、コアなコミュニティが出来ていると思うんですね。これはテント生活では難しかったと思います。旅館で一緒に泊まってお風呂に入り、お互いに話しをしたからこそ、できたことだろうと確信
しています。

――松島さんから幸福度という言葉がでましたがその点、渡辺さんはいかがですか。

(渡)もちろん、上がったと思います。
今回の取り組みによって、宿泊場所が無いために、ボランティアに行くことをためらっていた県外の方たちが亘理町に来られました。そして、当宿も社会貢献ができました。
また宿をお貸しするために、自宅待機中のスタッフにも協力してもらいました。
中には自らボランティアに行っているスタッフもいましたし、直接ボランティアに行けないスタッフでも、ボランティアの方の後方支援ができることを喜んでくれました。

(4)へ続く