国際環境NGO「350.ORG」の日本支部350 Japanは9月22日、国内大手7銀行(三菱東京UFJ銀行、みずほ銀行、三井住友銀行、三井住友信託銀行、りそな銀行、ゆうちょ銀行、農林中央金庫)に対して、環境に配慮した責任のある投資・融資を銀行に求める要請書と、これに賛同する一般預金者1,000人以上の署名を提出した。(棚尾 真理絵)

署名を集めた350 Japan

要請書では、邦銀に対して、環境負荷の高い化石燃料及び原発関連企業と事業への投融資情報を開示すること、地球の平均気温の上昇を産業革命前に比べ1.5〜2度未満に抑える目標に整合した投融資方針を策定すること、そして投融資先を化石燃料や原発ではなく再エネ・省エネに積極的な企業へと移行することを求めた。同団体は7銀行に対して、10月6日までに署名に対する回答を要望している。

署名は主にオンラインで集められ、加えて署名者が自分の年代、都道府県、預け先の銀行および推定預金額などの情報を任意で記入できる形式になっていた。提出先の7銀行は、署名者の中で預け先が一番多かったところを基準に選定された。

回答者の年代と保有銀行口座

署名者の回答を分析したところ、署名者の想定預金額は33億3643万円(3)であること判明した。

350 Japanの古野真代表は、「気候変動問題を危惧し、責任のある銀行業務を求める市民の声を受け入れる責任が銀行にある。預金者の声を直接届けるために手渡しでの署名提出を銀行と交渉したが、残念ながらその要望は聞き入られなかった」と語る。

10月6日までに、気候変動に関する積極的な取り組みを銀行が明らかにしない場合、350 Japanは署名者とともに、環境破壊に加担する化石燃料や原子力関連企業に投融資を行っていない銀行に口座を乗り換えることを促すダイベストメント・キャンペーンを実施する予定だ。

古野代表は「350 Japanは引き続き、環境に配慮した責任のある投資・融資を銀行に求める『My Bank My Future キャンペーン』を通して、一般預金者が環境に優しい銀行を選ぶよう呼びかける活動を展開していく」と述べた。

注釈:
(1)「回答者の年代別内訳」は全署名1007名の内、年代を回答した758名を分析したもの
(2)「回答者の保有銀行口座の割合」は全署名1007名の内、有効回答者451名の「今お使いの銀行」に対する回答を分析したもの
(3)「推定預金額」は全署名1007名の内、有効回答者933名の「推定預金額」の回答範囲の中央値より算出したもの。「推定預金額」非提示者に関しては、金融広報中央委員会発行の「家計の金融行動に関する世論調査(平成28年)」を参考にし、署名者の年齢より算出した。

ダウンロード先:
環境に配慮した投融資方針の策定と地球温暖化対策に関する要請書

[showwhatsnew]

お知らせ オルタナSでは、社会問題の解決につながる活動を行う若者を応援しています。自薦・他薦は問いませんので、おすすめの若者がいましたらご連絡お待ちしております。記事化(オルタナS/ヤフーニュースほか)に加えて、ご相談の上、可能な範囲で活動の支援をさせていただきます。お問い合わせはこちらから