国際問題の啓発活動を行う慶応義塾大学公認の学生団体S.A.L.は11月18・19日、東京・下北沢で野外映像・写真展「ALIVE & PEACE (アライヴ・アンド・ピース)」を開催する。当イベントでは、学生が自ら足を運んで撮影した映像や写真を通して、国際問題を「自分ごと」として捉え直すきっかけ作りを目指す。(学生団体S.A.L.=伊藤 麻琴・慶応義塾大学2年)

日々のニュースでは伝えきれない個人の「暮らし」に焦点を当てた

同イベントのキャッチコピーは、「遠くの誰かを、あの場所のあの人に。」。福島県のある被災者に密着取材したドキュメンタリー映像とインドで物乞いをしながら暮らす人々の姿を写した写真を上映・展示する。

学生団体S.A.L.は、世界各地の国際問題に関する自主制作のドキュメンタリー上映会「Theatre of PEACE」を過去3回に渡って開催してきた。来場者は延べ1443人にのぼり、大きな反響を呼んだ。

今回特に焦点を当てるのは、国際問題の渦中にいる人々の「暮らし」。国際問題を「苦しんでいる、特殊な人たちの問題」としてではなく、「私と同じ、一人の人間の出来事」として感じてもらうことが狙いだ。

「今までのニュース報道では、問題の当事者たちはその問題を伝えるための1ピースに過ぎない存在だったのではないか」 と今回の映像監督・有元優喜さん(慶応義塾大3年)は語る。

今回の映像では、被災者の中の「一人の人間」に焦点を当て、「被災者の代表」としての彼には見出せなかった人間性に注目し「かわいそうな人」という世間の被災者全般に対するレッテルを取り外すことを試みたいという。

映像展「音なき潮騒」。原発から20キロ圏内の福島県南相馬市小高区で暮らす人を取材した

一方、インドで物乞いを生計の一部とする人々の姿を写した写真展では、在学中にインドを4度訪れ、計3カ月以上もの月日を取材や支援活動に費やしてきた松村拓朗さん(慶応義塾大3年)が、監修を務める。

写真展「こいのつま―インドの物乞いを想う―」。こいのつま(恋の端)とは、恋心のきっかけを表す古い言葉

お金や食べ物を求めて、富裕層や観光客に手を伸ばすインドの「物乞い」。彼らの暮らしに密着した松村さんは「彼らは確かに貧しいけれど、決して目を逸らさなければならないような卑しい人々ではない。『物乞い』という単語からは到底想像することもできない彼らの素直な暮らしを見て欲しい」と話す。

当イベントは下北沢駅南口から徒歩5分の高架下野外スペースで行われ、最新鋭の上映方法も魅力の一つ。映像展では、ワイヤレスヘッドホンを使用しチェロの生演奏を楽しめ、かつ来場者のコメントがリアルタイムで映し出される。

写真展でも、被写体と来場者をつなぐ様々な仕掛けが用意されている。彼らの「生き生きと暮らしている姿(ALIVE)」 に触れるという体験を通して、「平和(PEACE)」について思いを馳せてみてはいかがだろうか。

「ALIVE & PEACE」
日時:2017/11/18(土) 19(日)⚠︎野外イベントのため、雨天延期
   映像展:第1回開場17:00 第2回開場19:00
   写真展:開場16:00 21:00終了
入場料:当イベントでは、入場料やチケット価格は定めず、お客様自身にイベントの価値を決めていただきます。実際にイベントをご覧になって、感じていただいたことを金額にしていただけたらと思います。
場所:下北沢ケージ(東京都世田谷区北沢2-6-2 京王井の頭線高架下)
交通アクセス:京王井の頭線・小田急線下北沢駅徒歩3分
主催:学生団体S.A.L.
予約はこちら
お問い合わせ:aliveandpeace@gmail.com
HP:http://arive-and-peace.jpn.org/


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