自由民主党総務会長の竹下亘氏が「同性パートナーの国賓は反対」と発言したことに対して1日、LGBT法連合会が声明文を出した。「五輪開催予定国として国際的な問題」とし、性的指向や性自認に関する差別をなくす法整備を進めていく必要性を訴えた。(オルタナS編集長=池田 真隆)
竹下氏は11月23日、岐阜市内で開かれた自由民主党の党支部パーティーで、国賓が宮中晩餐会に出席する際に、そのパートナーが同性だった場合には、「出席に反対である」と述べた。
LGBT法連合会が出した声明文は下記。
「国際社会における日本の立場に大きな影響を及ぼしかねないことを懸念し、公人の性的指向に関する差別的とも言える発言に対して遺憾の意を表明する。また、竹下氏がその後反省の意を表明したことを受け止め、総務大臣の発言や、総理大臣、外務大臣の関連する国会答弁に一定の評価をする一方、再発防止に向け、法整備も含めた迅速な対応を求める」
「国内においても、2017年1月1日に人事院は『性的指向若しくは性自認に関する偏見に基づく言動』(いわゆる「SOGIハラ」)を防止の対象とし、SOGIハラを懲戒も含めた厳正な措置の対象とした。東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会、経済団体、労働組合なども、相次いで差別やハラスメントの禁止を掲げた方針等を発表しており、今回の発言はこのような流れに真っ向から反するものである」
「今回のような発言に対する抜本的な対応無きままに2020年を迎えることとなれば、性的指向や性自認によって社会的な偏見や差別を受ける当事者はもとより、日本に関わるすべての人に大きな不利益をもたらすこととなる」
LGBT法連合会の神谷悠一事務局長は、「この発言を機に、多くの人が声を上げた。こうした発言が続くと国際問題になり兼ねないので、これを教訓にして法整備を早急に求めたい」と話した。
カミングアウトすると採用や昇進に影響し、なかには解雇された人もいるという。1986年に施行した男女雇用機会均等法のように、性的指向や性自認による差別をなくす制度を会社の就業規則に設けてほしいと述べた。