日本のエネルギー問題について楽しみながら勉強できる「エネシフゲーム・インタビューズ」。現在、クラウドファンディング「CAMPFIRE」の一プロジェクトである「GENKIDAMA PROJECT」に掲載され、ボランティアで制作しているスタッフへの制作費を集めている。

楽しく学んで、継続的にエネルギー問題に関心を持ってほしいという


このゲームでは、プレイヤーは新人記者としてエネルギー問題に詳しい有識者たちへ取材を行い、自分自身でエネルギーについての意見を持つことを狙いとしている。

登場する有識者は実名で登場する。金子勝氏(慶應義塾大学経済学部教授)や河野太郎氏(衆議院議員)、加藤登紀子氏(歌手)など7人である。

インタビューをする度に、「内部被曝」や「地球温暖化」、「電力不足」などのキーワードを集めて、最終的には自分の判断基準に基づいたエネルギーについての記事をまとめる。その記事をソーシャルメディア上でシェアすることも可能である。

マルチエンディング方式を取っているので、ゲームのエンディングは複数あり、記事の内容によって違う。

制作したのは、「エネシフゲーム」制作プロジェクト。SNSの呼びかけでエネルギー問題に関心のあるゲームクリエイターら30人が集まった。仕事の合間にボランティアとして働き制作している。

「エネシフゲーム」制作プロジェクトの代表小関昭彦さん(54)は東日本大震災での原発事故がきっかけで、去年の5月に自然エネルギーに関して考え合うフェイスブックページ「自然エネルギーで行こう!」を立ち上げたメンバーの一人。

同ページでは約2200人が参加し、自然エネルギーに関しての情報を寄せ合っている。

ゲームを開発した背景として小関さんはこう話す。

「エネルギー問題に関する勉強会やセミナーに参加したが、若い人が少なかった。今の時代は就職活動などでそれどころではないのかもしれないが、エネルギー問題は将来的に国民全員で考えていかないといけない問題。色々な主張を聞いて楽しみながら考えるきっかけをゲームの力なら成し遂げられると思った」と話す。

エネルギー問題に関する主張を扱うゲームなので、ニュートラルな立場でいることには気をつけたという。

「エネルギー問題に対して、脱原発か推進かのどちらか一方的な偏った情報だけを伝えることは最も危険なこと。対立軸を鮮明にするのではなく、自然エネルギーや化石燃料、原子力などそれぞれのメリットとデメリットを伝えて、多角的にエネルギーについての見解を述べてほしい」と語る。

現在制作中で完成予定は6月以降となるが「エネシフゲーム・インタビューズ」はアイフォン、アンドロイドアプリで無料で利用できる予定である。(オルタナS副編集長=池田真隆)


「エネルギー問題が楽しみながら分かる「エネシフゲーム」制作プロジェクト(GENKIDAMA PROJECT掲載中)
「エネシフゲーム・インタビューズ」公式サイト