「会社では得られないような満足感というか、自己肯定感というか、そういったものが強く感じられる経験でした」――コープこうべ職員の山本周作さんは、プロボノワーカーとしてNPOを支援することの魅力をこう語った。神戸市では、仕事で培ったスキルや経験を社会的課題の解決に生かす「プロボノ」が新しい働き方として注目されている。(オルタナS関西支局長=神崎 英徳)

各団体の活動に関連する特徴的な「数字」を切り口に、社会課題が紹介された

3月下旬、神戸市で開催された「神戸ソーシャルブリッジセミナー」に100人を超える市民が参加した。プロボノ経験者やNPOの活動報告に熱心に耳を傾けた。

「フードピクト」という食材表示の絵文字を国際規格と同じ調査手法で開発し、国内1,400店舗の空港、ホテル、飲食店に提供をしているNPO法人インターナショクナルをはじめ、放課後に地域の住民や子どもたち、外国人が過ごせる場所を作り「人の学ぶ気持ちを支援する」特例認定NPO法人まなびとなど8つのNPOが登壇。

懇親会では来場者それぞれが興味をもったNPOを取り囲んでディスカッションし、社会課題についての理解を深めた。

「神戸ソーシャルブリッジセミナー」の登壇団体のプレゼンテーション

神戸市では阪神淡路大震災後、復興の過程で直面する様々な課題やニーズに対応する形で、市民自らが知恵を出しあい、住む街によりよく関わろうと多くの市民活動が立ち上がった。

現在、市内では780(2018年4月末現在)のNPO団体が、子ども、環境、女性支援、まちづくり、在住外国人支援など多様な分野で活躍している。2018年には、市民の協働により地域の社会的課題の解決を目指すプロジェクト「神戸ソーシャルブリッジ」が始動した。

これまで開催した複数の説明会には、企業人、行政職員、大学院生、退職後のアクティブシニア、子育て中のママなど様々な立場の人々が集まり、市民の関心の高さがうかがえる。

左:江上さん(尼崎市行政職員) 右:山本さん(コープこうべ職員)

「自分が一番得したかなとも思うし、人生のターニングポイントになった。ソーシャルな部分の人生の窓口になってくれた」(尼崎市行政職員 江上 昇さん)。 

プロボノは社会課題の解決だけでなく、プロボノワーカーとして活動する本人自身も得るものが大きいと、社会人の間で注目を集めている。

「神戸ソーシャルブリッジ」では、少しでも多くの人々がプロジェクトに参加できるよう、最後の説明会を予定している。

【神戸ソーシャルブリッジ説明会】
開催日時:6月17日(日) 10時-11時30分
場所:神戸ソーシャルブリッジカフェ(神戸市中央区雲井通5-3-1 サンパル2F JR三ノ宮駅 東口徒歩3分)
定員:20名
※定員を超えた時点で説明会申込は締め切り
https://socialbridge.city.kobe.lg.jp/event/event-02


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