2011年3月の東北地方太平洋沖地震の被災地支援として建設した「南三陸直売所みなさん館」は、震災翌年の6月開店を目標に、被災された方々の自立復興の拠点として海・里・山が同じ地区にあり「わかめ・ほたて・かき・ほや・米・大豆・野菜・きのこ」などが豊富な南三陸地域の特性を活かした直売所にするため、約60名の住民で連日の会議や研修を重ねて準備を進めた。(特定非営利活動法人故郷まちづくりナイン・タウン事務局長=伊藤 寿郎)

南三陸直売所みなさん館 店内

被災直後で想定外のトラブルが続くなか経験豊富なNGOスタッフの献身的・超人的対応との連携で乗り越え、4カ月遅れの10月に開店、以後5年7か月営業している。

目的1「地域内循環経済を作り出す」

震災前も手づくりの漬物やお菓子、海産物をテント販売していた方は、常設販売で安定収入が生まれ、出品者の野菜で惣菜やお弁当、名物「ほやうどん」も作るなど、地域内循環の仕組みができた。

目的2「地元住民の生業・起業を応援する」
 
復興の行程で、資本力のある企業はグループ化や6次化などに対応できるが、零細小規模事業者には再開用訓練施設として加工・製造ブースを交替利用できるようにした。

目的3「機能型コミュニティを充実させる」

被災沿岸部では、行政区の他「契約会」と言われる株式会社地縁共同体のような古くからの自治組織もあるなかで、震災後は住民分散が進み、地縁共同体だけでは解決が難しい地域課題を解決する「テーマ型機能体」の存在が必要だと考え、課題の明確化や見える化を進め、テーマ型コミュニティとしてNPO法人化した。

これらの経験から縮小する内陸地域再興でも地域資源の「ヒト・モノ・つながり」を「見える化」して「付加価値を創りだす」流れをAsobay!プログラムとしてまとめ、成果品である「スターカードゲーム」を生み出すことにつながった。

ザ・スターカードゲーム

この愛すべき田舎には漆黒の闇にきらめく無数の星があり、当地域は平地でも良く見えると愛好者間では有名で、星空の商品化では身近にあるつながりの貴重さと、資源の見える化の重要性に気づかせてもらった。

ゲームのルールは単純なカード合わせで、遊びながら星の知識が自然と身につき、駆け引きも楽しめて対人コミュニケーション力を高める特徴があります。

6月1日から当NPOのオンラインショップなどで2,800円で販売開始しました。(売上金の一部は復興支援活動に活用させていただきます)

地元愛好家の写真を眺め、英語併記のゲームで楽しみながら【星どころ登米】の魅力に触れてみてください。


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