大阪の人情パン屋が「SDGs食パン」と呼ばれる商品を開発しようとしている。食品廃棄ロスをなくすため、数量限定の完全予約制にして、co2排出量を削減するため、原料を外国産から国産に変えた。さらに、食パン1本(2斤、800円前後の予定)の販売につき、途上国へ給食1食分が寄付される。販売するのは、月に1回だが、その日は店内ではSDGs食パンのみを販売するという力の入れようだ。(オルタナS編集長=池田 真隆)

パン業界から社会変革を目指す「SDGs食パン」

SDGs食パンを販売するのは、大阪市鶴見区にある「ダンクブロート」。一日300個以上売れる人気のエビ塩パンや枝豆とミートのベーコンドッグ、おやつとして評判の高い「幸せメロンパン」など、地域の人気店として知られる。

同店がSDGs食パンを開発しようと思った経緯はこうだ。ある日、小学生向けにソーシャルビジネスの啓発を行うNPO法人みらくる理事長の吉村大作さんが、「SDGsをテーマにした食パンを販売できないか」と提案してきた。

吉村さんは普段から同店舗に通っており、ダンクブロートのオーナーとは同じマンションに住む仲だった。「この店の袋には、人情や義理と書かれていたので、SDGsのスローガンである『誰一人取り残さない』に共感してくれるのではないかと考えた」(吉村さん)。

話を聞いたオーナーは、「めちゃくちゃいい」と即答。こうして、SDGs食パンの開発が始まった。コンセプトは、「社会を変える食パン」にした。まず、売れ残り商品の廃棄ロスをなくすために、数量限定の予約制を取った。作る数が決まっているので、労働時間の削減にもつなげた。

さらに、食パンの主流原料を外国産ではなく、国産にすることで、co2の排出を抑えた。食パン1本(2斤)の販売につき、途上国への給食1食分が寄付されるようにもした。

SDGs食パンの販売は月に1回のペースで行うが、その日はほかの商品は売らないという力の入れようだ。7月1日から26日まで予約を受け付けており、7月28日に販売する。予約開始日前日の6月30日には、小学生がSDGs食パンを広めるため、地域で広報活動を行う。

ダンクブロート
NPO法人みらくる

【編集部おすすめの最新ニュースやイベント情報などをLINEでお届け!】
友だち追加